「でも、存在しないわけじゃない。キスもできる、手も握れる、君は確かにここにいるの」(四方茉莉)「ちゃんといるよね、ここに。幽霊じゃない。手も握れるし、影もちゃんとある」(石月真名)
第十話では茉莉が、第十一話では真名が、同じようなことを依人に対して言うけれど、二つの台詞の間にある齟齬が、ただ切なかった。
「でも、存在しないわけじゃない。キスもできる、手も握れる、君は確かにここにいるの」(四方茉莉)
「大丈夫。私、犠牲になんかなってない。私の、私の、本当の願いは――」(神河繭子)
「あなたはもういないの……。いてはいけないの」(森宮蒼乃)
