「私、忘れてた」(フィン・エ・ルド・スイ・ラフィンティ)

 アニメ『輪廻のラグランジェ』第三話「鴨川にランの花咲く」のネタバレ感想です。公式HPによれば、ウォクス・リンファにオルカと名付けたのは、ランが鴨川シーワールドで見たシャチを気に入ったことからということなんだけど、作中にそのようなシーンはなく、かつ今回どこかの公園が壊れたときの反応が鴨川に来た直後のものとは思えなかったり。結構地味に、物語そのものをひっくり返しかねない伏線を引いてる気がしますが、どうなんだろうなー。


「まどかはあの伝説を知らない。だから、あんなにうまくアウラを……。そう、彼女は知らない」(ラン)

「さすがはウォクスと契りを結んだパイロット。モード峰打ちと瞬時に見切った大胆な所作、お見事」(キリウス)


 今回は、ランとキリウスが対比されて描かれていたのかなぁ、などと思いながら、視聴しておりました。なので、ラストに、リベルタスの剣を真剣白刃取るウォクス・リンファがものすごく決まっていて、格好いい。現段階における、ランとキリウスの「差」を見せつけた感じ。

 どちらもまどかに対して、勝手な思い込みをしていたことが描かれるんだけど(ランはシリアスに、キリウスは本人はシリアスなつもりなのに傍目から見ればギャグに)、キリウスは結局最後までその勘違いを払拭できず(笑)。一方で、ランは自分がまどかを追い込んでしまった、と。恐れを抱かずに戦えるのは、伝説を知らないからで、そういう状況に追い込んで、ウォクスに乗せてしまったのは自分だからと、まどかに謝るのだけど(これまた、「一方的な」思いですね)、まどかはすでに「ランのためだけじゃない」と。ある種騙され、巻き込まれてしまった彼女だけど、始めてしまったら最後までやるというジャージ部魂。すでに、自分は「当事者」なのだという彼女の姿勢が格好いい。

 そして、そのまどかの想いを汲んで(初めて二人の思いが双方向になった瞬間)、「手繋ぎ」→ウォクス・リンファ、モードチェンジの流れが格好良すぎ。変形ロボットものは、やはり「初めて」の変形こそ至高。まどかの方は結構あれよあれよという間に変形しちゃったので、ランの方は丁寧に丁寧に変形する姿が描かれてよかったです。戦闘機から「人」型へと変わるということで、ある意味ランとまどかが対等な存在になれた瞬間だったのかもしれませんね。

 そんな「双方向さ」を是として描きつつも、モイドが「お礼です」といって、よう子さんと芹沢颯太にIDカードを渡す辺りが、絶妙。これ、一見すると助けられたからこちらもお礼を、という双方向っぽさを感じるんだけど、どこまでも何を考えているかわからない表情に、うさんくささを感じるようにできているんですね。結局、何か思惑のある一方的な所作なのではないかと。引き続き、怪しげなモイドに注意しつつも、楽しんで見ていきたいと思います。

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