僕の自慢の妹たち。お前達はどうしようもなく偽物なのだと。

 アニメ『偽物語』第二話「かれんビー其ノ貳」のネタバレ感想です。いよいよ「偽物語」、すなわち「偽物」についての物語がスタートという感じ。


 第一話がシリーズ全般におけるエピソードの「再スタート」を意識した作りになっているのに対して、第二話は『偽物語』そのもののスタートという印象。原作ではいちばん最初に入っている火憐ちゃんと月火ちゃんの紹介をこちらに組み込んでいることからも、その辺りが窺えてきますね。

 こうして考えると、確かに前話は真宵との別れのシーンで締めるほかなかったんだなぁ。千石撫子との会話以降から、かなり明確に「偽物」についての語りが始まっているので。

 ちなみに、実は僕はこのシリーズ(というか、もしかしたら西尾維新作品全般かもしれない)においての「本物」「偽物」が一体何を意味しているのかよくわかっていなかったりします(笑)。一貫して、阿良々木暦は、羽川翼を「本物」として、それ以外(もちろん自分も含めて)を「偽物」だと断ずるわけですが、その偽物と本物を別っているものはなんなのか? というのが、実はよくわからない。

 だから、原作を読んでいても、羽川さんの「格」が作中でいわれているほどすごく感じない。彼女の場面だけあまり乗れないんですよね。こうしたことをTwiiterの方でつぶやいていたら、反応があって。それは『猫物語(白)』を読めば、しっくり来るということです。

 まあ、とはいっても、このシリーズは「本物」(=羽川翼)ではなく、「偽物」たちに焦点が当たっているので、そこまで気にしなくても好いのかもしれませんが。ただ「本物」がわからない以上、それではない「偽物」を正確に読み取ることが出来ないのは、事実。まあ、本物よりはたぶん遙かに偽物の方がイメージしやすくはありますけれど。

 そんなわけで、作中であざとかったりエロかったりする会話の中で、さらっと偽物に対する議論が入っているのが面白いところですね。『化物語』において、撫子が行き遭った「おまじない」は偽物でしたし、神原が暦に「お前実はそんなに変態じゃないんじゃねえの?」といわれていますが、ようはそれって、神原は変態の偽物では? ということですし。

 こうした何気ない会話。ほとんどが一見するとなんの意味も持たないような対話が、時に真に迫るから、どうしても読むことをやめられない。いやー、ホントもう、エロかったな(台無し)。

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