「本当の自分なんて、どこにもない」(久慈川りせ)

 TVアニメ『ペルソナ4 THE ANIMATION』#10「Real Me Doesn't Exist」のネタバレ感想です。眼鏡をもらった完二さんに、詰め寄るシャドウの軍勢シーンが、決まりすぎていて笑った。ここは、すでに最終回のノリ。完二さんの活躍という意味でも、最後っぽい勢い。


 シャドウによって、本音が誇張されているとはいえ、少なからず「見られたい」という願望があったのだろうなと、りせのストリップショーを眺めつつ思いました。シャドウがある種の願望を誇張して歪ませて表現するということを考えると、アイドルが自分の本質にそぐわない虚構の自分を作りだした辺りからダメになっていく(アイドルに限らないだろうけれど)ことへの類似性も見出せるよなぁ。

 自分の本質に皆をフォーカスさせることで、魅力的に見えるという現象を、僕は「演出が効いている」と表現するけれど、その状態は基本的に良いと思うんですよね。自分も相手も幸せだし、おそらく誰も不幸にしていない(自分は自己の本質を追究して行けるし、他者はそれに魅力を感じているわけだから)。

 でも、これは言ってしまえば、「自分がある」という前提が必要なこと。

 だから、りせちーが出した結論は、演技している自分も今の自分もどちらも「私」だから、「本当の自分はどこにもいない」というような表現になる。だけど、そっから、その「自分がない」クマの方に話を持って行く辺りが、唸りました。

 で、その「自分がない」はずのクマは、クマさんなりに、いま、ここにいたい、先生たちと共に在りたいという自分を発見していくんですよね。ああ、なんというのかな、この自分の気持ちというか、本質? に気づく瞬間というのは、何度見てもどんなキャラであっても、グッと来る。

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