「ならば、踏み込むか。彼の後悔の行き場に」(本多・正信)

 アニメ『境界線上のホライゾン』#3「町中の遊撃者」のネタバレ感想です。そういえば、「手繋ぎ」シーンって、今のところなかったっけ?


「後悔通り」改め「後悔・トーリ」。十年前、そこでホライゾンが亡くなった理由は、トーリにある。にもかかわらず、学院のみんなが彼を支持するのは一体何故なのか、と正純も抱いた疑問で、視聴者を引っ張ります。トーリ自身も、自分がホライゾンを殺したという自覚があり、だからこそ、後悔に苛まれている。そして、あの日、本当は何が起こっていたのか? というのは、クライマックスのお楽しみでもあり、本作の解そのものでもあると思います。

 引き続き、境界線の「あちら」へと踏み込む側の「覚悟」が問われているわけですが、本当に一貫して描かれているなぁ。

 今回踏み込む側として描かれていたのは、トーリと東だと思うんですが(正純が踏み込むのはもう少し先)、どちらも自分だけの力で踏み込めたわけではない。トーリにとってはP-01sの「通し道歌」が、東にとってはミリアム・ポークウが、「誘ってくれた」からに他ならない。

 とくに、トーリはこの際置いとくとしても、東の方は死活問題なわけですよ。武蔵に来て、紹介された部屋に行ってみたら、何故か女の子がいて。ここ以外に住むところがない。早速ホームレスなのか、元神なのに、というところで、ミリアム側から手を伸ばしてくれた。この「踏み込まれる」側がどう思っているのか、というのが大事。

 そんな人と人とのミクロな「関係性」の中の妥協と、国家間のマクロな妥協が描かれる。個人のやり取りならば、今回のミリアムのように、「馬鹿で真面目な人は疑えないの」で済むけれど、国家間のやり取りともなると利害の不一致が際立ってしまう。そんな相反する願いの中で、何とか妥協(すなわち、それが「境界線」)を見出して行こうっていうのが、『境界線上のホライゾン』という物語。

TVアニメ 境界線上のホライゾン エンディングテーマ-Side Horizon- 「Stardust Melodia」
TVアニメ 境界線上のホライゾン エンディングテーマ-Side Horizon- 「Stardust Melodia」
TVアニメ 境界線上のホライゾン エンディングテーマ-Side Ariadust- 「Pieces」
TVアニメ 境界線上のホライゾン エンディングテーマ-Side Ariadust- 「Pieces」

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