「何が、あったのよ……?」(里中千枝)

『ペルソナ4 THE ANIMATION』#3「We are friends, aren't we?」のネタバレ感想です。このタイミングで、鳴上くんが二体目のペルソナ(ジャックランタン)を使役する展開に、燃え。


 前回の陽介に引き続き、今回は千枝がペルソナ召喚に成功。自分が認めたくない「自分の裏側」と向き合うためには、他者への感情が必要という描写が一貫しているのが良い。他人に対して思っていることを素直に認めるのは、実は自分の本音を認める以上に難しいということなのか(陽介の時は小西先輩が好き、千枝の場合は雪子と友達であるということを認める必要があった)。逆に言えば、シャドウに喰われてしまうのは、自分自身の本音と建て前で、どうしようもなく自己完結しちゃった人なんだろうな、と(小西早紀さんは最終的に陽介に惹かれている自分を認めることができなかったと解釈)。

 そういう意味では、菜々子ちゃんがやばい。

 鳴上くん含めて、主要人物のほぼ全員がいろんな意味で「一人ぼっち」という状況から始まる『ペルソナ4』ですが、その中でも菜々子ちゃんと(前回も書いた)クマが群を抜いて「孤独感」が強い。お父さんは仕事で忙しく、なんだか格好良くて惹かれるお兄ちゃんは友達と遊んでばかりで、家に一人ぼっち。お留守番できるよと気丈に振る舞う菜々子ちゃんが大変可愛すぎますが、やばい。このままでは、あの子、シャドウに喰われてしまう。ちょっと、鳴上くん、頑張って!

 まあ、追々その辺りの菜々子ちゃんエピソードは語られていくだろうし、万事「菜々子ちゃん可愛い」で終わるコミュの進展を待つとして、このタイミングで、鳴上くんがジャックランタンを召喚する展開が熱い。

 ある種プレイヤーの分身でもある主人公だから、他のキャラにあるような自分自身の内面(ペルソナ)と戦うフェイズはすっ飛ばしてしまう。その上で、他者との「絆」を糧に戦うというのが、良いな。実際、他者との絆を深まれば深まるほど強くなるという設定は、この「孤独感」が蔓延している近代社会において、強力なカウンターになるだろうしなぁ。

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「ペルソナ4」オリジナル・サウンドトラック
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