「この私、ネイト・ミトツダイラが、総長にこの胸をお貸しましょう!」(ネイト・ミトツダイラ)

 アニメ『境界線上のホライゾン』#2「食事場の清純者」のネタバレ感想です。このトーリとネイトの「接触」は何気に色々と深い。そして、至る所で描かれる「境界線」の「こちら側」と「あちら側」の描写の中、その狭間で揺れる本多・正純をクローズアップした第二話でしたね。


 死んでいるはずのホライゾンに、告りにいく葵・トーリという構図を皮切りに、至る所で「境界線」の「こちら」と「あちら」という描きが為されている『境界線上のホライゾン』。トーリとホライゾンの関係については、文字通り此岸から彼岸へと渡ろうとするかのようですね。

 他にも例えば、第二話ラストに、酒井学長が本多・忠勝らと再会するのも、鳥居を隔てたこちら側とあちら側だったりするので、今後もおそらくはいろんな構図で描かれるであろう「境界線」。その「こちら」と「あちら」を押さえつつ視聴していくと、物語のクライマックスの際にいろんな意味でグッと腑に落ちると思いますんで(というか、割と涙腺に触れて、ボロボロになる)、おすすめです。

 そもそもこの世界自体が、本来「神州」と「重奏神州」で分かれていたものが、南北朝時代に理由あって、ごちゃ混ぜになってしまったもので。言ってみれば、世界自体が「境界線上」に在るということ。もうちょっと話が進めば、神様として再び天上へと昇るため、過去にその神様になれたプロセスをなぞらえているという「歴史再現」にも、何かしらの「分岐点」を迎えていることがわかってきます。

 そんなこちら側からあちら側へと向かおうとする物語の中、その「境界線上」にいるのが、本多・正純という少女なわけですね。本多・正信を襲名するために男になろうとし、成りきれなかった女の子。そんな境遇もさることながら、極東武蔵に来て、あまり日が経っていないため、トーリ達にそこまで接近していない(つまり、そこまで彼ら=「こちら側」にも染まっていない)正純が、トーリ達のことを知ろうと決意。そして、彼女と彼らとの接触、相対が待たれますね。

境界線上のホライゾン 〔Horizon on the Middle of Nowhere〕 1 (初回限定版) [Blu-ray]
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TERMINATED ( TVアニメ 境界線上のホライゾン オープニング主題歌)
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境界線上のホライゾン1〈上〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)
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