「学校の女教師が彼女だと親友でも話しづらいな」(鎖部左門)

『絶園のテンペスト』第二十六話「余計なお世話ですよ」のネタバレ感想です。ガンガン最新号の感想となります。


「つまり吉野さんが全て悪いんですね」(不破愛花)

 満を持して、吉野の彼女は誰かと推理し出す真広、星村、左門、潤一郎の四人。「推理もの」らしく、次々と現れてくる情報を取捨選択して、可能性を絞っていく流れは、お見事。所々に小ネタも挟まれていて、面白かった。左門さんがほんとうに輝いておられた。作者に、愛されてるんだろうな−。読者サイドからすれば、最初から愛花だということがわかっていたけれど、城平京さんのことだから、一応ここまでの情報で愛花だと特定できるようにはしているんじゃないかな。

 ラストで、最も部外者だからこそ、みんなが考えようともしない愛花が吉野の彼女ではないかと推理する辺り、星村くんもなかなかやります。しかし、ようやくここまで辿り着いたかー。まさか、ここまで吉野の彼女ネタを引っ張るとは思わなかったよ。読者にとって自明なネタでここまで引っ張ったのだから、次回で吉野の彼女が愛花であるという「違和」をなにか明らかにしてくれることを期待。



「あれは「蛇」か 「龍」のようだという意見が出てる」(フロイライン・山本)

 もう一つ。「はじまりの樹」はほんとうに樹なのか、という疑問が浮上。樹じゃなくて、龍や蛇だとしたら一体何が変わるのか。ものすごく安易に考えるなら、「絶園の樹」と「始まりの樹」が同一存在(一方が頭、一方が尾)とかかなー。ウロボロスの蛇みたいに頭が尾を喰らっている。もちろん、一見別の存在である者が同一人物というのは、愛花と星村の彼女をかけている(二人が同一人物では? というのが、ぼくの予想です)。

 既刊、読み直そうかな。いままでの情報を手に、もう一度整理してみたい。

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