セイクリッドセブン [Sacred Seven] <豪華版> Vol.01 (初回限定生産) [Blu-ray]「ルリちゃんはともかく、鏡くんは風邪引かなそうだけど」(伊藤若菜)

『セイクリッドセブン』#10「アオイ記憶」のネタバレ感想です。そこはかとなく、過去回想のメイド隊が大人っぽくて、イイ。詳しい情報を!



 これ、やっぱり鏡さんが惚れたのはアオイの方でしょ。鏡さん、気になってる人ほど、邪険にするし(アルマ然り、アオイ然り)。素直じゃないもんなー。アオイには同じ立場になれないと言っているのに、ルリ一人の時はあっさりと彼女と同じ位置にいられるというのも、その傍証になっている。イシ化が解けたアオイを見つめる目も、切ないし。

「お嬢様方が、今宵のサンタを楽しみにしておられるのでな」(鏡父)

 しかし、本作ほど執事の扱いが素晴らしいアニメはない、と心底思える。やはり、執事はこうでないと。鏡さんもたいがいなんでもできる超人じみていたけれど、鏡父はそれに輪をかけて超人だった。悪石化したゼロ号と生身で渡り合ってるし、サンタにもなっちゃうし。そういう意味ではゼロ号にはもう少し出番を後らせてほしかった。サンタ姿の鏡パパが見たかったのに。悪石と渡り合うサンタが見たかった。



「戻ってくるきっと。五年間同じだったのが、変わったんだろ? 俺たちが戦ったことで」(丹童子アルマ)
「君の命は存分に使わせてもらうよ。あの素晴らしい原石を手に入れるためにね」(研美悠士)


 七話以降、やはりありとあらゆる描写が反転しているっぽい。第六話の感想にも書きましたが、それまでの描写から考えると、アルマ側が石(より確かなもの)、研美、ナイトサイドが血(より移ろいやすいもの)に象徴されて、対比されていたんだけど、今回の二人の台詞からも明らかなように反転してる(神話的にも、反転というのはよく扱われる題材)。思えば、前回はストレートに石が移ろう話だったな。

 そんな移ろうのか(変化するのが是か)、確かな方が良いのか、という鬩ぎ合いは、やっぱりそれぞれの「居場所」問題と帰結していくんですよね。



「自由になれ丹童子アルマ。人に尽くし、わずかな感謝を得て、ちっぽけな居場所を与えてもらう。そんな生き方に何の意味がある」(輝島ナイト)

 で、ますます研美然としていく、ナイトさんが切ない。彼らの次のアジトが、また彼らの居場所を象徴していると思っていたんですが、それを描かないことで、彼らには居場所がないということを描こうとしている感もあるな。

 そんなナイトの発言に対して、切々と自分の考えを述べるアルマさんがイイ。ここ数話で明確に自分の存在を認めてもらい、自分の居場所を認識しただけあって(だからこそ、ずっと持っていた小石があるべき場所もわかった)、ナイトを一気に変えられるような凄みはないけれど、染みる台詞の数々。やっぱり、最後はナイト(フェイ)の居場所問題になるんだな−。

 残すところ、あと二話。次回予告を見る限り、フェイにも動きがあるっぽいので、期待。ちっぽけな居場所が、ただそこにあるというだけで、どれだけ救われるものなのかと、フェイはナイトに伝えられるのだろうか。そういう意味で、アルマさんにそれを伝えられた若菜さんは、なんだかわからないけれど、やっぱりすごい人だったんだな!

TVアニメーション「セイクリッドセブン」ドラマ・キャラクターアルバムII Fragment of S7 鏡誠×藍羽メイド隊S7
TVアニメーション「セイクリッドセブン」ドラマ・キャラクターアルバムI Fragment of S7 丹童子アルマ×藍羽ルリ
セイクリッドセブン [Sacred Seven] <豪華版> Vol.01 (初回限定生産) [Blu-ray]
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