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『魔法少女まどか☆マギカ』第一話「夢の中で逢った、ような……」から第三話「もう何も怖くない」のネタバレ感想です。
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「美樹さん、あなたは彼に夢を叶えてほしいの? 彼の夢を叶えた恩人になりたいの?」(巴マミ)
第二話で、「命を賭けてまで叶えたい願いがない」と言ったさやかさんに対して、早速突っ込みが入った辺り、安心しました。魔法少女になるための「願い」は真っ先に思いついたらしい、さやかさんが、何を思い悩んでいるのか気になっていたので。第二話での言葉通り、わたしではない他の人(上條くん?)に(命を賭けて)願いを叶えてほしかったのか、それとも他の人の夢を自分が叶えるというのはどうなのかと思い悩んでいたのか。
で、さやかはそこまで厳密に何かを考えていたわけではなく、漠然と思い浮かべていただけで、そこをマミさんに「覚悟が足りない」と諫められちゃう。でも、たぶん後者の問題が、この『魔法少女まどか☆マドカ』の通底に流れているものだと思うんですね(だから、究極的には他人のために願いを叶えたい、とは思えないマミさんは、早々と退場してしまう)。
そして、たぶん他人のために願いを行使した存在として描かれているのが、暁美ほむらさん。まどかの「いまが幸せ」という夢を叶えるために、第一話冒頭のバッドエンドからやり直しているのが、「今」ということなのでしょう(保健室の場所がわかったり、数学の問題がすらすらと解けるのは一度やったことだから)。そんな他人のために、自分の命を賭けるほむらの在り方がありか否かと、そんな語り口になるんじゃないかな、と。
#ちなみに、三話でのまどかママが「夢を叶えることではなく、その過程こそが良い」という風なことをいっておりますが、普通ならこの辺りに着地するものの、虚淵玄さんがそんなまっとうな物語を書くとは思えない。
今ちょうど中沢新一さんの『愛と経済のロゴス カイエ・ソバージュ3』という本を読んでるんですが、この本で扱われている「交換」「贈与」「純粋贈与」の関係がクリティカルに当てはまりそうな気がして、嫌な予感しかしません。まさか最後にまどかが神様みたいなポジションに立って、人知れず人の願いを叶える存在になる……とか、ないですよね?(汗) 確かに、他人の願いを後腐れなく叶えるには、そうした存在になるほかないですが。

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