「困ってるみんなを助けたい。動機なんてそんなもんじゃない」(ブルーローズ)『タイガー&バニー』第四話「Fear is often greater than the danger.(案ずるより、産むが易し)」のネタバレ感想です。レジェンドから受け継がれた「動機」が、徐々に伝染していってるのが面白いなぁ。
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「今シーズン、ポイントゼロのくせに」(ブルーローズ)
今回も良かった。こーゆーシナリオを練れたら、物語を描くのが本当に楽しいだろうなぁ。最近、本気で物語を描きたい、描こう、と改めて思い始めているので、色々と参考にしたいところ。
#このタニバニやダーカー(というか、アニメは大体そうですが)、そして、往年のJRPGのように、小さいエピソード(短編)を重ねて、大きな物語に繋げていくのが、好みなんですよね−。
やっぱり前半部分は、それぞれにNEXTという特殊能力、すなわち手段を持ちながらも、強烈な動機を持たないヒーローたちが、レジェンドのような昔ながらのヒーローの動機とドッキングしていく様が描かれている。
「俺たちはな、別に誰かに評価されたくて、命を張ってるわけじゃねえんだ」(鏑木・T・虎徹)
「僕は、誰かに評価されたくて、ヒーローをやってるわけじゃありませんから」(バーナビー・ブルックスJr.)
そして、奇しくも、似たような事を言ってる二人(そして、事実彼らは似ている)だけど、虎徹とは違って、バーナビーの方は強烈な動機を持っていることが明かされていて。そこがいずれ、バーナビーと他のヒーローたちとを分かつことになるのだろうけれど、いまはまだそのときではないんでしょうな。
#ちなみに、予想としては一見強烈な動機を持たない虎徹ですが、バーナビーが追っているウロボロスと、おそらくは今亡き奥さんが繋がっていくんじゃないかなぁ。そこで、彼にも強烈な動機が生まれる。その上で、バーナビーとどう違う選択をするのかが描かれるのではないか、と。
閑話休題。
そして、今回その動機とのドッキングが描かれたのは、ブルーローズことカリーナ・ライル。彼女の心の変遷、もっと言えば彼女の中の「みんな」が変化していく様が、実に丁寧で良かった。
「歌一本でやってくのも、いいんじゃねえか?」(鏑木・T・虎徹)
一時は、虎徹の言葉が嬉しくて、ヒーローかバーの歌手かという二択で、歌手を選ぶカリーナだけど、そこからの切り返しが凄かった。最後に、カリーナとしてではなく、ヒーロー・ブルーローズとして言う、
「困ってるみんなを助けたい。動機なんてそんなもんじゃない」(ブルーローズ)
という言葉が、
「好きだから。みんなに歌を聞いてもらいたいから」(カリーナ・ライル)
「俺は困っている人を助けたいから、ヒーローをやってる。動機なんてそんなもんだろ」(鏑木・T・虎徹)
虎徹とカリーナの動機がドッキングしているというのも良かったのだけど、カリーナ/ブルーローズの言う「みんな」に同じヒーローである虎徹たちも入ったのが、いちばん素敵(それまで当然ながら、わたしとあなたたちは違うという態度だった)。
だからこそ、今回ブルーローズが守るのは、逃げ遅れた人ではなく、同じヒーローなんですよね。そして、意外にも一緒にトレーニングしていたりと仲良しなヒーローたちの輪に入っていく。賭けをしていた虎徹たちに呆れながらも、ちょっぴり嬉しそうな表情が、たまりません。かわいー。
「私の氷はちょっぴりコールド。あなたの悪事を完全ホールド!」(ブルーローズ)
◇
あと、さりげなく、
「あなたたちヒーローの命までも、危険にさらすことはできない」(アニエス・ジュベール)
アニエスさんも、前回で虎徹に感化されているのが、微笑ましかった(笑)。前回虎徹が言った言葉を、ちゃんとアニエスさんはわかっているんですよね。これは良い夫婦になれる(笑)。
「市民を守るのが俺たちヒーローの使命だ」。
だから、その市民であるアニエスさんたち報道マンを守るのも、ヒーローの役目だというのが、前回の話ではあったけれど、その台詞からからもう一つ言えることがあって。
ヒーローも市民の一人、だということ。
それをおそらくちゃんとわかっているからこそ、アニエスさんは、上記の台詞を言ってくれたんだろうな、と。そして、虎徹も虎徹でそれをわかった上で、希望があるならと飛び出していく。
この「希望」っていうのは、きっと逃げ遅れた人を助けることができるというものと、いまここにはいないブルーローズがちゃんと来てくれる、そんな期待を込めてあったのでしょうね。
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→前回第03話 「Many a true word is spoken in jest.(嘘から出た真実)」の感想へ
→次回第05話「Go for broke!(当たって砕けろ!)」の感想へ。
→『TIGER&BUNNY(タイガー&バニー)』の感想インデックスへ

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コメント
シンプルに楽しめる作品なので、あれこれ難しく考察するのは野暮かもしれませんね。
性格に難ありの仕事人間で離婚経験者、難しい年頃の娘ありという設定の
現在視聴中の米国ドラマ主人公の吹替えで馴染みのある声優さんなので被る被る(笑)。
ある意味、虎徹っさんは純粋な動機でヒーローやっている訳ですが、ブルーローズと
バーナビーは別の目的を果たすための手段としているあたり、似たもの同士であり
動機が不純とも言えるのではないでしょうか。
ともあれ、ブルーローズ=憂鬱な薔薇にとっては生活を阻害する「厄介者」でしか
なかったNEXTとしての特殊能力を、凶悪犯逮捕ではなく人助けに有用な「ギフト」として
受け入れることができたのでしょうね。
序盤のバーナビーからの借りもきっちり返すというオチも、とても気が利いています。
>れおぽんさん
どうも、かもめです。返信遅くなって申し訳ないです。
>シンプルに楽しめる作品なので、あれこれ難しく考察するのは野暮かもしれませんね。
そうですね。僕もただ見ている分には、何も考えずに見ております。ただ、まあ感想を書く段階になると、色々と考えてしまいますね(僕の場合は、感想を書く=考察をするなので(笑))。
>性格に難ありの仕事人間で離婚経験者、難しい年頃の娘ありという設定の現在視聴中の米国ドラマ主人公の吹替えで馴染みのある声優さんなので被る被る(笑)。
「仕事人間」という表現が、なにやらツボにはまりました(笑)。虎徹さん、とてもそうは見えませんが、冷静に考えると、ものすごっい仕事人間なんですよね。
>ある意味、虎徹っさんは純粋な動機でヒーローやっている訳ですが、ブルーローズとバーナビーは別の目的を果たすための手段としているあたり、似たもの同士であり動機が不純とも言えるのではないでしょうか。
「純粋」という言葉は難しいですね。虎徹がヒーローをやる動機って、実は特に「なんでもないもの」(目の前に困っている人がいて、自分が助けられるのであれば、ほとんどの人がが手を伸ばすんじゃないかという意味で)だと考えています。一方で、ブルーローズもバーナビーも難しいことを考えている。そんな中、今回はブルーローズがヒーローの動機を「そんなもん」といったのが重要だったと思います。ヒーローになるのは、そんな特別な理由は必要ない(ということは、なりたいと思えば、誰もがヒーローということでもある)、そんな「気づき」のエピソードだったのかな、と。
続きます。
続きです。
>ともあれ、ブルーローズ=憂鬱な薔薇にとっては生活を阻害する「厄介者」でしかなかったNEXTとしての特殊能力を、凶悪犯逮捕ではなく人助けに有用な「ギフト」として受け入れることができたのでしょうね。
「ギフト」という言葉、良いですよね。好きなんですよね、この言葉。
そうした「異能力」問題(虎徹や二話に登場した少年が差別されていたこと)は、これからどう扱われるのでしょうね。個人的には、既にほぼいNEXTがNEXTとして受け入れられた時代の物語として、読みたいんですが……
>序盤のバーナビーからの借りもきっちり返すというオチも、とても気が利いています。
一話単発のエピソードとして、毎回凄くハマってますよねぇ。脚本の西田さんはドラマ畑の方ということですが、時間が半分になっても上手すぎます。