「血、血、血、血が欲しい。ギロチンに注ごう、飲み物を。ギロチンの渇きを癒すため。
欲しいのは、血、血、血」(マルグリット・ブルイユ)
『ディエス・イレ/アクタ・エスト・ファーブラ』のネタバレ感想/プレイ日記です。
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ああ、これは良いな。徐々に日常が「浸食」されていくかのような感覚が、たまらない。
今回のポイントは三点。
一つは博物館で幻視した断首痕を持つ少女マリィ(まだ作中では明言されていませんが)と、蓮が夢の中で再会。そこには彼女しかおらず、時間が進んでもいない。夕暮れ時の一瞬を切り取ったかのような美しい場所に、心地よさを感じる蓮が描かれます。ここで「凝縮した刹那」という割とキーワードっぽい言葉が出てきました。
これって多分「日常もの」の物語によく見られる、サザエさんのように本当に時間が止まっているのか(時間の否定)、あるいは、『けいおん!』のようにあまりに密度が高いため止まって見えるのか(刹那の凝縮)という話になっていきそう。で、多分、ともすれば、蓮は刹那の凝縮ではなく、停止した世界を望んでしまうという話でもあるんだな。
この直前にカリオストロことメルクリウスが、生まれこそ至上。どれほど努力しようとも、天然には敵わないという風なことを言っているんですが(その意味で、生まれたときから断首痕を持ち、呪いの言葉しか発しないマリィは奇跡のように“外れている”存在だと彼は言う。マリィ別格宣言)、これも同じ路線の話で。ようは、この世界は何もかも最初から決まっているような「静的な世界」であるという示唆。
で、彼はその法則を破壊したいそうなんだが、その主演が蓮ことツァラトゥストラ(メルクリウスの「代理人」という意味らしい)というのが面白い。なぜなら、彼はそうした法則こそを愛している人間なわけだから。この矛盾をどう落としていくのか、今から楽しみだ。
そして、この夢から覚めた後、諏訪原市で被害者の首が一刀のもとに切断されるという通り魔事件が起こっていることを蓮は知ることになる。その直前夢の中で首を断たれているだけに、事件との関連性が気になる蓮。この、現実と夢が曖昧になっていき、境界が失われいく感じは、本当に幻想小説チックだよなー。
#マリィの設定の元ネタになっているのは、どうもポール・フェバールという人の『罰あたりっ子』という話らしい。
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二点目は、蓮はどうも香純のことが好きっぽいこと(笑)。彼女に対する普段の態度を見ると、蓮くん、もしかしてツ、ツンデレ? とか思ってしまいますが、どうも根っこは深そうな感じ。
彼女に対して、素直に好意を表せないのは、もちろん性格もあるとは思いますが、どうやら司狼から指摘されていた「学園ドラマをやるような身分じゃない」という発言が、ここに繋がっていきそう。その原因が、香純関係っぽい。
そんな後ろめたい気持ちがありながらも、香純のことが気になって、司狼のようにばっさり縁を切るわけにはいかない蓮。いや、もうこれは素直に可愛いだろ。「おまえ(=香純)の作ったご飯以外、口に合わない」とか一歩間違えば、プロポーズみたいなこと言っちゃってるし。
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最後は、そんな縋り付くような形で日常を取り戻そうとしている蓮を嘲笑うかのように、聖槍十三騎士団黒円卓第四位ヴィルヘルム・エーレンブルグと第八位ルサルカ・マリア・シュベーゲリンが到着。既にこの街には十三人の内、六人が集結して、なにやら蠢いているらしい。
当然のように通り魔もまた人外の存在であることが明かされるも、目下ツァラトゥストラの捜索が目的となる様子。知らず知らずのうちに、蓮くん、標的されてます。
→『罰当たりっ子』収録
フランス怪奇小説集 (偕成社文庫)
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