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『STAR DRIVER 輝きのタクト』第十八話「ケイトの朝と夜」のネタバレ感想です。本日は朝からあみっけふぃーばー。
◇
「“旅立ちの日”が来て、こいつらがサイバディでゼロ時間の外に出て、好きに暴れたら、世界は本当にやばいんじゃないのか。……わたしも、つまんないくんになっちゃったかな」(プロフェッサー・グリーン)
いえいえ、先生は昔っからそんなお人です。
バンカーはまだ若干判断を迷うところではあるんですが、プロフェッサー・グリーンことオカモト・ミドリはベニオやカナコ様に先んじて、「一抜け」していたんだなぁ、と再確認。彼女の場合は、あまりタクトに関係がなく、単純に美少年と付き合う形になって、青春を謳歌し始めたわけですが、ポイントは青春を謳歌するのに「年は関係ない」っていうことだろうか。
十年前の卒業生。
なら、今は三十路一歩手前。
そんな彼女だって人生を縦横無尽に謳歌しているわけなんだから、遅すぎるということはないし、超古代文明の力など借りずとも大好きな美少年はゲットできる。死者のように踊らずとも、青春を謳歌することはできるのだと。
#第一フェーズの能力に惹かれなかった少年と付き合うことになったというのも、一つその証左でもありますね。
第五話の感想を読み返してみると、その辺りのことに触れられていて、本当にここまで一貫している物語作りをしているんだなぁ、と震えがきます。オープンにすべきところはオープンにして、秘め事はちゃんと隠す、そんな人だからこそ、ケイ・マドカやアタリ・コウの存在を危険視するのは、納得の展開。
レオン・ワタナベを含めバニシングエージの面々を中心に、ゼロ時間やサイバディの存在をオープンにしていくという流れが主流になっているわけですが、そこに前半からちょこちょこと描かれていた、何もかもをオープンにする必要はない、秘するものは秘するというカウンターが効いてくる感じ。その陣営も徐々に組まれつつありますね。
#とはいえ、物語としては表巫女の封印は解かれ、旅立ちの日を迎えてしまうことは間違いないので、その上でヘッドがどんな選択をするのかがやっぱり今後の見所でしょうか。
◇
「自分が識別できれば、それで十分だ」(シンドウ・スガタ)
とは言いつつも、いまの自分を支えてくれているのは、ニチ・ケイトという展開は強烈に皮肉めいていますね。これはルイさんの指摘で気づいたことですが、タクトがサイバディを破壊し、それを再生しようとしたら、スタードライバーは死のリスクを負うことになる。どれだけ相手を傷つけずに戦おうとしても、彼の与り知らぬところではそうした出来事が起こっていて、間接的に傷つけるきっかけを作ってしまっている。それはスガタも同じ。
「王の柱」を使い、自分の才能をやるべきことやりたいことに使っているけれど、その裏ではケイトに負担をかけているかもしれないという。自身が輝くことで誰かが影になっているのかもしれないのだ。
想像(というか妄想)ばかりですが、楽しい日々の随所随所にそうした死の薫りが漂っているのが、いかにも「ボンズらしい」なぁ、と。いま輝いているタクトにしても、ナツオの死という「翳り」があるわけで。それが時としていろんな形で現れてくる。
#たとえば、スガタの寝室にあった落書きがワコのものだと知ったときの表情が寂しそうですが、それはストレートにワコと過去を共有していないことから来ているのか、自分の既に存在しない三人組の姿を思い起こしているのかとか。まあ、前者だとは思いますが(笑)。
あいばさんの感想にずばりと書かれていますが、多分いま「輝いている人」にはどこか死を漂わせるように描いているんですよね。僕の言葉で言えば、死者の踊りから抜け出して、青春を謳歌しているヤツとでも言いましょうか。輝いているヤツ、それに憧れる子、そして、役割が今はまだわかっていない「女の子」の三人組が繰り返し繰り返し、おそらくは時代を越えて描かれている。
タクト・スガタ・ワコ
スガタ・ケイト・ワコ
ベッドの人・ヘッド・サカナちゃん
そして、
ナツオ・タクト・ハナ
がそれぞれに該当しているんですね。輝いているヤツ、その人に憧れて結果的に傷ついてしまっている子。ナツオにおけるタクトは胸に傷を、タクトにおけるスガタは目覚めぬ眠りへ、スガタにおけるケイトには禊ぎ、そして、ヘッドは傷心と(笑)。傷ついても憧れているヤツに向かって、何だかんだ言って走っているのが特徴です。
#停滞感全快のヘッドも、前に進んではいる。
ここで何が巧妙かというと、ここまでずっと三人目の役回りが隠されていることですね。ナツオに憧れて、タクトがこの島に渡ったのはわかったけれど、それじゃあ彼の死を受けてハナがどうなったかは描かれていないし、ワコもマキにずっと「(タクトくんとスガタくん)どっちにしたの?」と問われ続けている(答えは保留)。
唯一明確なアクションを取ったのは、サカナちゃんで、彼女はヘッドのやろうとしていることに「ノー」と言ったんですよね。あなたのやろうとしたことは間違っていると。思えば、物語の冒頭でワコもスガタなら外に出せるという言葉に否を突きつけている。
でも、それは相手をこれ以上傷つけないための「ノー」でしかなくて。最後に彼女たちが語るのは、彼らが輝くための言葉なのだろうとそんな風に思います。スガタやケイト、そしてヘッドが輝く瞬間が、今から待ち遠しい。
→気になる。

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コメント
タクトが燃え、ケイトに萌えた…トーンダウンどころか、ますます
アゲて来ましたね。ただ、タクトまでも「王の柱」の餌食にした
スガタは、掛け値なしの“人でなし”だと思います(汗)。
一部改変されたEDラストの、タクト達の背後に揃った綺羅星達は、
タクトと共闘するドライバーなのではと言われているようですが、
戦力が圧倒的に少ない彼らにジョージやタカシまでもが味方するなら、
一時的にでも印を取り戻してサイバディに乗り込んでの総力戦は
期待できないものでしょうか。
難攻不落かと思っていたスガタ一筋のケイトもタクトにも好感を
持ったようですが、今回ここまでやって彼女の本命がワコだったら
エラいことになりそうですね…いやまさかそんな(汗)。
サイバディには生命力を吸い取る性質がある反面、瀕死の重傷を
負ったシモーヌを回復させたり、マリノを生み出したりという
「生命を与える力」もあり、また「殺す覚悟」を持ったカナコは
タクトの「殺さぬ覚悟」を評価していることから、要はドライバーが
どう使うか、ということではないでしょうか。
そしてタクトはこの矛盾をどう解決するのでしょうかね。
BONES作品は主人公を死亡や行方不明にする傾向があるようですが、
この作品はそれをもひっくり返してくれる予感がしています。
>れおぽんさん
どうも、かもめです。
>タクトが燃え、ケイトに萌えた…トーンダウンどころか、ますます
>アゲて来ましたね。ただ、タクトまでも「王の柱」の餌食にした
>スガタは、掛け値なしの“人でなし”だと思います(汗)。
タクトは燃えに燃えてましたね。部屋だけでなく、自分も燃やしてましたし。ケイトというか、小清水亜美さんのはっちゃけっぷりが良かったです。朝番組の『スイートプリキュア』でも主役を演じておられるのですが、本当にあの日は一日あみっけふぃーばーでした(笑)。
タクトなら「王の柱」の一つや二つ喰らっても平気、という信頼感あっての、行動かな、と思ってます。いやぁ、美しきかな師弟愛(笑)。
>一部改変されたEDラストの、タクト達の背後に揃った綺羅星達は、
>タクトと共闘するドライバーなのではと言われているようですが、
>戦力が圧倒的に少ない彼らにジョージやタカシまでもが味方するなら、
>一時的にでも印を取り戻してサイバディに乗り込んでの総力戦は
>期待できないものでしょうか。
ゼロ時間のサイバディ戦は「一対一」というのは崩さない点なのかなぁ、とは思っておりましたが、表巫女の封印が解けて、城?に戦場が移るならば、そうしたチーム戦もありなのかもしれませんね。
本当にもう長々と、ジョージが自分の部屋から飛び出してくる瞬間が楽しみでなりません。明らかに「タメ」の部分だと思っているので。
続きます。
続きです。
>難攻不落かと思っていたスガタ一筋のケイトもタクトにも好感を
>持ったようですが、今回ここまでやって彼女の本命がワコだったら
>エラいことになりそうですね…いやまさかそんな(汗)。
そ、それはまさかの展開ですね(笑)。どんだけいろんな人の人生を狂わせれば気がすむんだ、ワコは。
>サイバディには生命力を吸い取る性質がある反面、瀕死の重傷を
>負ったシモーヌを回復させたり、マリノを生み出したりという
>「生命を与える力」もあり、また「殺す覚悟」を持ったカナコは
>タクトの「殺さぬ覚悟」を評価していることから、要はドライバーが
>どう使うか、ということではないでしょうか。
まさにその通りだと思います。結局のところ、輝く事が出来るか、青春を謳歌できるかは、「自分自身」にかかっている。そーゆー意味では、サイバディの力によって生を得たシモーヌやマリノが、タクトとの出会いを通じて、フェードアウトしていったのは、よく出来てるなぁ、と思います。恋が報われなくても、輝けるんですよ! 何気に、どっちも作中で一二を争うほど好きなキャラですね(笑)。
>そしてタクトはこの矛盾をどう解決するのでしょうかね。
>BONES作品は主人公を死亡や行方不明にする傾向があるようですが、
>この作品はそれをもひっくり返してくれる予感がしています。
いまはサイバディに乗って戦う事が彼にとってやるべきことで、やりたいことでもあるわけですが、それが変わっていく様も描かれるんじゃないかなぁ、と思っていたりはします。