STAR DRIVER<スタードライバー> 輝きのタクト2 【完全生産限定版】 [Blu-ray]「命短し、恋せよ乙女って言葉知らんのかね」(マキナ・ルリ)

『スタードライバー 輝きのタクト』第十七話「バニシングエージ」のネタバレ感想です。いよいよ第三部開始。これは、サカナちゃん、ヘッドの物語に「三人目」としての登場確定ですね。再登場が待ち遠しいな。


◇死者の踊り◇


「いいわねぇ、ぞくぞくするわ」(ケイ・マドカ/ニードルスター)

 ワコのためにすべてのサイバディを破壊する。

 それがタクトの目的だったわけですが、サイバディが再生出来るとなると、そう簡単にはいかない。ただサイバディを破壊するだけでは、結局再生されてしまうだけ。

 まるでゾンビが幾度倒れても蘇ってくるように、そこで行われるのは死者の踊り、ダンスマカブル。決して生者のそれではないわけです。そんな世界から抜け出して、青春を謳歌するためには、どうすれば良いのか?

 スタードライバーの方をなんとかするほかないわけです。それがうまくいっていたのが、カナコやベニオの時で、うまくいっていなかったのがバニシングエージの面々を相手にしたときだった(詳しくは該当する回の感想に当たってくださいな)。今回のマドカやヘッドなども、後者ですね。

 ただタクトが武力的な意味で強いのではない(その力で言ったら、多分スガタの方が上)。

 ベニオが言っていたような、彼の「本当の強さ」に気づいた者は、「ゼロ時間」の戦いからどんどんと抜けていくんですよね。だから、今回「やはりタクトを倒すしかないのか」といろんな意味で悶々としていたカナコに、誰も傷つけずに戦いは終わらせたことが出来ると見せつけた意味は大きいのです。

「さすがだな、相手を傷つけずに勝ったか」(頭取)

 一歩間違えれば、一度この「死者の戦い」から抜けて、青春を謳歌し始めた彼女を、引き戻す結果になったかもしれない。だけど、そこはやはり真の銀河美少年。見せつけてくれます。

「やれそうな気がするときは、やる!!」(ツナシ・タクト)

 この言葉、もちろんワコの、

「やれそうな気がするときは、やれる!」(アゲマキ・ワコ)

 それを「借りた」ものなわけですが、なぜここでこの台詞を言うのでしょう? 言ってみれば、これはナツオ少年の、

「やりたいこととやるべきことが一致したとき、世界の声が聞こえる」

 自身を輝かせる言葉でもあるわけです。となれば、今回の「やれそうな気がするときは、やる!」も、作品としては同じような意味合いで読むのが、良いんじゃないかなぁ、とぼくは思います。すなわち、自身を輝かせ、相手をも輝かせる言葉なのだと。



◇青春の謳歌◇

 綺羅星十字団の目的はサイバディをゼロ時間の外へ出すこと。畢竟、それはゼロ時間と普通の時間の「境界」を破壊することでもあるわけですが、タクトのそれとは意味合いが違うように思うんですよね。

 彼もまたありえない方法で南十字島にやってきて、タウバーンがゼロ時間の壁を破って登場するのに代表されるように、いろんなしがらみや壁をぶっ壊してきた。でも、綺羅星(もっと言えば、ヘッド)のそれとは違うような気がする。

 それは彼が言うような、新たな人類への進化などではなく。

 ただそのままで輝くための術。日常での言葉がゼロ時間の壁を突き破り、輝かせてくれるのならば、逆もまた然り。きっと、それは青春を謳歌するための力なのでしょう。レオン・ワタナベのいう、リビドーではなく「生きる力」ですね。

「いま、その場にいる当事者の彼らは眩しいな。生きる力に満ち溢れている」(レオン・ワタナベ)

#リビドーは最初にベニオが追い求めていたような力を指しているのだと思います。だから、最初にサイバディを再生させるのは彼女だし、それが強いスガタはザメクとアプリポワゼしても生きていられた。彼は今サーフィンとかをして、青春を謳歌しているようなので、ちと安心。

→気になる。

STAR DRIVER 輝きのタクト 銀河美少年伝説 特典 南十字学園スペシャルディスク付き
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