さんかれあ(1) (講談社コミックス)「私が…ゾンビになったら 責任取ってくれるってことですね…」(散華礼弥)

 はっとりみつるさんの『さんかれあ』第一巻のネタバレ感想です。ヒロインは「ゾンビっ娘」なのですぞ、という帯のコピーが実にキャッチ。


「普通の女のコとしての すべての経験をさせて下さいっ」(散華礼弥)

 容姿端麗、頭脳明晰、絶世の美少女、お嬢様、ただしゾンビという、ハチャメチャな設定に悶える。だけど、これかなりガチな物語展開っぽいよ。ライトノベルなんかにありがちな美少女設定に、「ゾンビ」を追加するだけでなく、ちゃんと「ゾンビっ娘」ならではの時限付き付きストーリーになっている。

 割と、まったり読めるバカっぽいラブコメのつもりで購入したので(いや、その欲求も十分満たされそうなんだが)、これは嬉しい誤算。ちゃんと、というと何かおかしいが、今巻で死んだ、礼弥の身体はゾンビといえど朽ちていくことが明かされる。同じく蘇った猫(ばーぶ)があじさいを食べることで、生前の姿を取り戻しつつあるので、その期間を延長する術は在りそうだけど、さりとていつまでもと言うわけには行かない。

 すでに、彼女を救う最後の機会を逃していると明示されているので、ちょっぴり切ない展開となるのかなぁ。ゾンビになってでもやりたいことが、普通の女の子としてできることすべてというところで、すでに涙腺が緩みつつある。