デュラララ!!5(初回限定盤) [DVD] おまえの目に見えているものが、現実とは限らない(セルティ・ストゥルルソン)

 アニメ『デュラララ!!』第二十三話「千錯万綜」のネタバレ感想です。やっぱりそこに落ち着くんだなぁ。第二話(これもアニメオリジナル)リフレイン。


「お前達、三人の問題を解決するんだ!」(セルティ・ストゥルルソン)

 ここ数話のオリジナル展開が、個人的にかなり心地良いんですが、つ・い・に! 三人が集結!! 原作では描かれなかったシーンなので、すげー嬉しいです。やっぱりここで三人はお互いの「秘密」を知ってほしかったし、一堂に会してほしかった。念願のワンシーン。

 第二話にあえてアニメオリジナルを挟んでいただけあって、そこから引用してセルティがしゃべり出したところは(「おまえの目に」云々のところから)、鳥肌が立ったなぁ。セルティが正臣や杏里の「秘密」をしゃべり出したことに違和感を覚えた人もいるかもしれないんだけど、これはアニメ版では一貫して描かれている部分なんですよね。

 第二話の神近さん然り、セルティ然り。二人とも誰かに「秘密」を暴かれて、その後それを隠そうとした者の気持ちに近づく(自分も秘密を持っていたことに気づく)という構成になっている。神近さんなら不倫していた父だけでなく自分にも他の人にも秘密があることに気づいたし、セルティの場合は、新羅が首の場所を隠していた理由を知ったことで、自身が怖れていたこと(死に対する恐怖)を吐露するきっかけになって、グッと近づいた。

 で、三人の「秘密」なんですが、どれも同じ理由から来ているんですよね。

「それは、ダラーズのこと、僕の問題だと思っていたから……」(竜ヶ峰帝人)

 すなわち、他の二人に心配をかけないように自分の問題は自分で解決したかったという。帝人も杏里さんも正臣も、他の二人が大切だったからこそ、隠し通していた。そして、それだからこそ、こじれまくっていた三陣営の問題を、すっぱりと「三人の問題だ!」と喝破したセルティさんはやっぱり男前。というか、ここはやっぱり「デュラハン」という在り方(自分の首)を二十年間追い求め、その果てに「セルティ・ストゥルルソン」という今の自分の姿を認めることができたセルティさんだからこそ、言える言葉だよなぁ。首が何だ私は新羅が好きだ!みたいなシンプルなノリです。これを思うと、セルティと新羅のイチャイチャっぷりも計算のうちだったのがわかる(なんだってー!)。

 そう、それぐらい実は単純な問題なのにそれがわからない、認められないばかりに、さらに泥沼状態に突入している原作を思うと、ここですっぱりと三人の問題だと捉えた方がお話がすっきりしますね。群像劇、すなわち帝人が主人公というわけでもない原作と比べて、アニメ版では帝人達三人を軸に「三人の物語」に再構成されている感じ。ここでちゃんと三人がそれぞれの気持ちに勘づいている(プラスそれぞれが持っている情報はほぼイーブン)からこそ、おそらく次の原作通りのエピソードが凄く綺麗に締められるんだろうなぁ。最終話が今から楽しみです。

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