DARKER THAN BLACK -流星の双子- 6 ≪Blu-ray≫「ここには“契約者の未来”があると聞いて、来た」(クロード)

 DTB黒の契約者外伝第三話のネタバレ感想です。雨霧がもう最高に格好良いポジションになってるなぁ。このために、再登場させたのか!!


「貴様にとって、あのドールは何だ?」(雨霧)

 うーん、この問いをする役目を雨霧に持ってくる辺り、深いなぁ。前回彼の復活に腑に落ちないものを感じていたのですが、これは納得。というか、この問いかけができるのは、確かに彼しかいない。かつて、アンバーと共に戦い、「契約者の未来」を勝ち取ろうした男。そして、“いま”は彼女の理想とは違った第三の道――未来――をちゃんと生き抜いて、迎えた最期の姿があれとかもうね! 本当に強い生き様だ!!

 自分の子を守ろうとした母、その前で仁王立ちして事切れていた雨霧。彼らが守ろうとしたのは、何だったのか? それを思うと、先の問いに答えられない黒<ヘイ>に、怒りを隠さず、自身の対価を投げ捨てるという非合理的な行動を取る、彼の心境がわかるというもの。

 当然ながら、彼はただ単純に「あの女はお前にとって何なんだ?」と問いたいのではない。本当に言いたかったのは、きっと――

 アンバーを殺してまでも勝ち取った“未来”をお前は何だと思ってるんだ? それ(=ドールである彼女と共に生きる)こそが、お前の願いではなかったのか!?

 と、そんなことじゃないかと。ふざけるな、と。何をやっているんだ、と。アンバーを犠牲にしてまで掴み取った「未来」――契約者と人の共存、すなわちミクロな視点でいうところの、黒<ヘイ>(人間)と銀<イン>(契約者)の共存――を、おまえは生き抜く必要がある。それが自分の理想(すなわちアンバーの願い)と違えた道で出会った“未来”――契約者同士の「こども」――を命懸けで守り抜いた男の真意だったんじゃないかなぁ、と思うわけですが(もちろん、イザナミにただの人は殺せませんけれど)。

 これ、何が感動的って、雨霧は前期では「契約者」そのものを救おうとしていた男だということ。マクロな世界を守ろうとした男だったわけですね。だけど、そんな彼が巡り巡って、守ったのは――ミクロな、ほんの小さな、一つの「命」。ここが多分『流星の双子』ともリンクしているところで(あれは大好きな姉を生かすため、世界を一つでっち上げた少年のお話だと読める)、『黒の契約者』とは対照的な部分ですよね。世界的な動向よりも、ミクロな、身近なところに焦点が当てられている。少女の恋心とか。

 で、その話を聞いた黒<ヘイ>さんは、銀<イン>に「別れよう」とか言い出すので、黒<ヘイ>さんヘタレ!とか思ってしまうわけですが(笑)。逆に、この段階で自覚的にこの問題を持ってくるということは、ちゃんと制作陣は答えを考えていて、黒<ヘイ>に答えさせるつもりなんじゃないかと……思うんですが、はてさてどうなることやら。予告の「伸ばした手がすり抜けてしまう」云々の件がニヤニヤしてしまうなぁ。果たして、黒<ヘイ>はもう一度銀<イン>の手を握れるのか!? ラスト一話心待ちにしてます!

→いよいよラスト2。もちろん最後までついていく!

DARKER THAN BLACK -流星の双子- 7 【完全生産限定版】[Blu-ray]
DARKER THAN BLACK -流星の双子- 7 【完全生産限定版】[Blu-ray]
DARKER THAN BLACK -流星の双子- 7 【完全生産限定版】[DVD]
DARKER THAN BLACK -流星の双子- 8 [Blu-ray]
DARKER THAN BLACK -流星の双子- 8 [DVD]

前回黒の契約者外伝第02話の感想へ
次回黒の契約者外伝第04話の感想へ
岩原裕二『Darker Than Black−漆黒の花−』の感想インデックスへ
第一期『Darker Than Black−黒の契約者−』の感想インデックスへ
『Darker Than Black−流星の双子(ジェミニ)−』の感想インデックスへ