デュラララ!! 4 【完全生産限定版】 [DVD]「正臣は、過去から逃げられないよ」(三ヶ島沙樹)

 アニメ版『デュラララ!!』第十九話「蒼天已死」のネタバレ感想です。


 今ならばわかる。かつて黄巾賊という集団の中で、自分の帰るべき場所は、三ヶ島沙樹というただ一人の人間だけだったのだ。そして、いまは新しい居場所となった、大切な友人のために動いている――

 いやぁ、今回は本当に臨也が悪役悪役してるなぁ。これ以降そんなに彼の思惑通りに事が進まなくなってくるので、これはある意味新鮮な光景だ。本来なら三つ巴で牽制し合っているはずの各陣営が、黄巾賊VSダラーズという二元的な戦況に再構築されているわけですが、それぐらい臨也にとって彼らが厄介だということだよなぁ。ああやって、ちょっかいを出し続けない限りは、リーダーがリーダーだけに戦局が大きく変わらないという。

 これは、もう完全に傍目から見てると面白い光景なんですが、臨也がやろうとしていることって本当に単純なことで、帝人たちに本当のことを話させないっていう、ただそれだけなんですよね。そのために、ひたすら帝人と杏里さんを揺さぶっている。状況だけ見てると、かなりショボいです
 で、正臣、帝人共にミスリードされている感があるんですが(実際、正臣にとっては逃げてしまった過去をいかに乗り越えていくのかが重要なわけではありますが)、彼らが本当に逃げているのは「いま」なんだよ!って感じなわけです。これはもちろん妖刀罪歌のことを二人に話せないでいる園原さんも同じなんですが、本当に彼らが向かい合うべきなのは、OPに象徴されるように(このOPが僕は本当に好きで、絶対見てしまう。明後日の方向を向き合う三人のシーンが、切なくて好きだ。お互いがお互いを思っているにも関わらずまったくすれ違っているという、切ない)、彼ら自身

 杏里さんなんかは、額縁の外側でどうでもいい存在だったはずの彼らに嫌われたくない一心で、罪歌のことを話せないでいることを思うと、それだけで感じ入るところがありますけどね。今回明確に、額縁を越えてきてくれたと表現してくれたおかげで、彼女がどれだけ彼らのことを思っているのか大切にしているのかがわかるというもの。だからこそ、まずは彼女に秘密を明かしてほしいんですが……。

→Fullだともうひとつなんですが、やっぱり好きだなー

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