「うん、これが正しい反応だよな」(セルティ・ストゥルルソン)
アニメ『デュラララ!!』第十三話「急転直下」のネタバレ感想です。原作3巻のネタを出しながら、2巻の内容を、って感じですね。OPの、まったく別の方向を向く三人がこれからの展開を暗示してますなぁ。
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何も起きない、何も変わらない、それが彼女の――
ついに、待望の杏里さん回が! 一話丸ごと花澤香菜さんボイスで聴けるとか幸せ以外の何ものでもないなぁ。いやぁ、ホントに良い。花澤さんの透き通るような声は、園原杏里というキャラクターにすごく合ってますよ。
切り裂き魔罪歌編(原作第2巻)のテーマって、多分「日常はそう簡単に変わらない、変えられない」っていうことだと思うので、今回はそーゆーポイントを押さえて見ると面白いんじゃないかなぁ、と思います(まあ、そう見る前に、それぞれの日常とは?っていう視点も必要ですが)。
交機に戦きつつも、森厳を助けることで日常を感じ入ったセルティ。
園原さんに好意を寄せつつも、いつもと変わらない日常に耽溺する帝人。
黄巾賊の「戻ってこないか」という言葉に、首を振り「日常」に帰ろうとする正臣。
そして、目の前で切り裂き魔が現れ、いじめっ子達が斬りつけられるのを枠の中の「風景」のように見続ける杏里さん。
どこまでが日常で、どこからが非日常なのかは各キャラそれぞれで、それは遊馬崎や狩沢、門田さんの会話からも垣間見えるところですね。遊馬崎たちにとっては、首なしライダーが走っているところは「非日常」でありたい(=秘めてほしい)けれど、セルティにとってはそれは「日常」でしかない。
あとはギャグシーンっぽく描かれている正臣達の「杏里はエロ可愛い」談義ですが(笑)、あれも多分「日常」「非日常」で括られる部分。正臣にとっては「綺麗な女の子がいたら、見る」というのは「日常」的なことですが、帝人にとってはどうなの?と(まあ、否定しつつもちゃっかり杏里さんを見ているので、彼にとっても「日常」なんでしょうが(笑))。
そんな中、語られる園原杏里の日常。何も変わらない、何も起きない、彼女の生活。すべてがありふれた、「普通」の風景。だからこそ、他者との関係が劇的に変わってしまう、告白は受け入れられない(=誰かを愛することは「特別」、すなわち彼女にとっての「非日常」)と。帝人や正臣とのある程度距離を置いた生活(三者三様に隠していることが有り、その「秘密」が今後の展開に直結している)が気に入っているのは、それが理由。何だかんだ言って、それぞれ一定の距離を置いて付き合っているんだよなぁ。
これは、第二話でわざわざオリジナルエピソードを入れてまで描かれたことでもあるので(どういう風に描かれたかは当時の感想を参照で)、本当に最後が楽しみです。すごく綺麗にまとまりそうだ。
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