![仮面ライダーW Vol.1 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/618vhTBICyL._SL160_.jpg)
『仮面ライダーW(ダブル)』第二十二話「還ってきたT/死なない男」のネタバレ感想です。
◇
「お前の心は、おれが背負って生きる」(照井竜)
翔太郎たちの武器が風都の人たちとの横の繋がりなら、竜の武器はこの縦の関係なんだろうな。何度となく書いているけれど、そこがすごく園咲家の関係と対比になっている。その中でも一番顕著なのが冴子で、霧彦を殺したら、すぐにWのメモリの持ち主とお見合いしたりして、関係性の代わりを求めるんですね。その一方で、園咲家の中でも若菜は昔の来人との関係を取り戻そうとしたり、アイドルとして風都の人々と関係を持っていたりと、作中善チックな側面が多い感じです。
最終的には、この両側面、風都のみんなと自分の罪がクロスオーバーする展開になるんだと思うんですが、今はそれぞれのポジションを構築していっている感じっぽい。自身も復讐心を持っているがゆえに、復讐を否定しないけれど、その復讐そのものを否定しかねない記憶の破壊(今回なら風都タワー)は止める竜さんが、格好良い。
そして、
「僕らには、彼女を止める“責任”がある」(フィリップ)
という台詞を今回挟んでいるのも決して偶然ではないと思うんですが、どちらも今生きている、戦っている理由が「過去」にあるんですよね。『ビギンズナイト』でも描かれたように、フィリップは決断をせずに自分の世界に閉じこもったことでガイアメモリをばらまき続けた罪から逃げていた。翔太郎は、おやっさんの言葉を守らず安易に決断してしまって、結果おやっさんを殺してしまった。その罪に対する贖罪として、今戦っている。
「お前の罪を数えろ」
というおやっさんの言葉を受け継いでいるのも、それが理由。自分の罪を問い続けているという。なので、今回綾さんの言った「ヤツらを裁くのはあなたたち」という言葉は的外れなんだよなー。彼らができることは、ただ問うだけ。
一方照井竜の方もわかりやすいぐらいに、「過去」に固執してますよね。綾さんの敵討ちを見逃したように。というか、たぶん彼は仇を討ったら死ぬつもりなんだろうな、と思ってしまうんですが。やらねばならないことがあるから、死ねないというのは、つもりやることやったら死ぬつもりなんだろうと。
「絶望がお前のゴールだ」
自分の行く先はそこでしかない。だけど、前回のエピソードでそのゴールが変わったように、竜のゴールも変わればいいなと思ってしまうんですね。
翔太郎たちの問うところから始まって、竜の(絶望ではない)ゴールへとちゃんと届いてほしい。
◇
「まあ無理でしょうけど」(園咲冴子)
刃野さんがWのメモリの持ち主だったりするのかなこれ。翔太郎たちに邪魔されるから、まあ無理でしょうけど、って意味には思えないんだよな。彼女の性質として、代わりはいくらでもいるっていう感じなので、Wのメモリの持ち主の首を狙いにいってもおかしくない(綾さんが倒せば、彼の代わりができるのでノープロブレム)。確かにいつも笑っている人ではあるので、特徴は合致するし。
そう考えると、竜にとってエグすぎる展開が待ってそうだな。ある程度信頼関係を築いたところでカミングアウトが来そうだし。
→いよいよDVD第一巻発売。
![仮面ライダーW Vol.1 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/618vhTBICyL._SL160_.jpg)
→前回第21話「還ってきたT/女には向かないメロディ」の感想へ
→次回23話「唇をLに/シンガーソングライター」の感想へ
→『仮面ライダーW(ダブル)』の感想インデックスへ