化物語 ひたぎクラブ【完全生産限定版】 [Blu-ray]「なるほど、神様っていうのは、確かにおおざっぱな連中らしい」(阿良々木暦)

 アニメ『化物語』第一話「ひたぎクラブ 其ノ壹」と第二話「ひたぎクラブ 其ノ貮」のネタバレ感想です。結構コアなネタバレしてます。今更ですが、DVD&Blu-ray第一巻の発売を記念して。Blu-rayの方のレビュー感想も近々上げますよ。


「何も変わらないなんてことはないわ。それに決して無駄でもなかったのよ。少なくとも、大切な友達が一人、できたのだから」(戦場ヶ原ひたぎ)

 おもし蟹から、重みを取り戻した直後のひたぎさんの言葉ですが、今回はほぼこの辺りのシーンに尽きるといっても良い感じ。母親を想う気持ちを切ってしまったことをずっと後悔していたガハラさんが、それを取り戻した瞬間に発した生の声、本音みたいなものです。そして、この後の笑顔が最高です。戦場ヶ原さんの笑顔なんてここでしか見られない(笑)。

 作中でも明かされているとおり、戦場ヶ原さんがなくした「重み」は本来自分が持ち続けなければいけない「想い」でした。だけど、その想いに耐えきれず彼女は想うことをやめてしまった。その重くて重くて仕方がなかった「想い」をなぜひたぎさんが取り戻すことができたのかというと、それはやっぱり阿良々木くんと出会ったからだよな、と考えたいところ。誰にも言えないし、相談もできない「想い」を共有できる人と出会えたから。

 だからこそ、おもし蟹から「重さ」を取り戻すことができた。おもし蟹=重いしがらみと忍野さんが言っていたけれど、文字通り戦場ヶ原さんが蟹にお願いするシーンではその場の柵が破られていたのが上手い演出ですよね。

 そして、ラストシーンがまた美しい。「重み」=「想い」なのだから、阿良々木くんの増えた体重四十五キロは、そのまま彼女の「想い」なわけです。それをそのまま背負わせるなんて、おもし蟹、実に粋です



 エンディング曲『君の知らない物語』がまたイイ。フルバーションとテレビ版がまったく違うニュアンスになる曲なんですが、ここから察するにテレビ放送版はあくまで戦場ヶ原ひたぎの物語なんですよね。だけど、第一話冒頭に『傷物語』の映像で羽川翼さんとの出会いが描かれているとおり、この物語は羽川さんの物語でもある。

 その微妙なニュアンスを描くために、第12話でテレビ放送を終了し、一端区切りを付けているという辺りが本当にすごいよなぁ。シャフトの皆さん、ステキすぎるぜ。

→ただいま品切れ中のようですが、また入荷されるとのことです。お早めにどうぞ。

化物語 ひたぎクラブ【完全生産限定版】 [Blu-ray]
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→主題歌CD

君の知らない物語
君の知らない物語