
第二十四話「BEYOND」のネタバレ感想です。うーん、すげーおもしろいとしか言いようがない。まだもう一話残っているけれど、一年半の間、見続けていて本当に良かった。ありがとう。
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●対話
ファーストシーズンからずっと志向していて、セカンドシーズンではより浮き彫りになってきた(物語が終わるので当然ですが)、「対話」というテーマが十全に描かれたエピソードだったなぁ、と。
対話。
面と向かって、相手に何かを伝えること。
普通、何か相手に伝えたい、わかってもらいたいなら、どうしても言葉を尽くさねばなりません。
ただ一言いえば、伝わる。
そういう時もあるけれど、その一言が難しいことを、何よりも僕らは知っている。実体験としてもそうですし、ダブルオーという作品の中でも、嫌というほど見せつけられた。
ビリーさんは、ただスメラギさんに「あなたのことが好きなんだ」と気づいてもらいたかっただけなのに、それが伝えられなくてダメになって。その様は本当にヘタレで、事実僕もヘタレだと思うけれど(笑)、その言えない気持ちはわかってしまう。あるよね、こういうことって。
1stシーズンから好きで好きで仕方がなかったセルゲイ・スミルノフ大佐も、この「対話」ができなかったばかりに、息子アンドレイに誤解され、わかり合えないままに命を落とした。
そういうわかり合えない(わかり合えなかった)、不器用な人たちのために、イオリアが作ったのが、GNドライヴ、つーかツインドライヴシステムなわけですね。自らの意志で戦い、「変革」の象徴たるトランザムを使用し続けることで、その者を真のイノベイター(=変革者)へと押し上げる。そして、その人を媒介としてトランザムバーストを発動。人類を相互理解のステージへ押し上げる。人々の意識はダイレクトに繋がれ、「対話」が為されると。
それによって、ビリーさんスメラギさん、アンドレイとマリー、双方が「対話」を果たし、わかり合った。
でも、すごいのはここからで。
これだけ「対話」が大事、言葉を尽くすのが大事というエピソードを続けてきたのに、目覚めたルイスの言葉に対して、沙慈はただ「何も言わなくていいさ。わかってる」と抱きしめてあげる。自分は指輪をもらったあのときと違って、もう好きな人に抱きしめてもらえる人間じゃないかもしれない。そんな君の気持ちも、犯してきた罪も、すべてわかっている、と。受け入れる、と。
そこに言葉なんていらない、と
ここにしびれるわけです。
「以心伝心」という言葉があるように、辛い「対話」を尽くし続ければ、その果てに、言葉を使わずともわかり合える、そんな境地があるよね、と。沙慈という名の由来通り、辛いことが過ぎ去ったあとには美しいものが残る、そんなシーンでしたね。美しい。
◇
そして、物語は、「革新者」を越えた「変革者」同士の戦いへ。
ただやっぱり、世界の命運はトップ同士の戦いで決まります、とやってしまうと、これまでの展開は何だったんだ、って感じがするので、真のクライマックスはこの向こうにあるんでしょうか。
思いの外、個々のエピソードがあっさりと終わったのは、個が結集して全となるクライマックスがやってくるからだと思ってますよ。一人一人の力はゼロに近いけれど、それが結集すればその力は無限大みたいな、そういうスカッとするクライマックスに期待です。
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