「大丈夫。私、犠牲になんかなってない。私の、私の、本当の願いは――」(神河繭子)
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剛史が交わした「約束」が、実は繭子の「願い」とはかけ離れたものだと明かされる今回のエピソード。solaのテーマに、「約束」と「願い」の齟齬みたいなものがあるのかもしれないなぁ、と思った。それこそ、同じ空を見ていてもまったく違う空に見えてしまうように、同じ色を見ていてもまったく違う色に見えているように、交わした約束もまたそれぞれが違った解釈を持ってしまう、というような。
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冒頭から始まる茉莉と蒼乃の戦いも見所十分でした。
当ブログでは、割と再三に渡って、蒼乃さんから茉莉への想いについて、触れてきましたが、今回それが証明されて、大満足。
と共に、蒼乃の「願い」もまた、本当の「願い」とはかけ離れたものなんじゃないかなぁ、と思ったり。前回「依人と二人で暮らしたいだけなのに」と願い茉莉のもとへと赴いた蒼乃さんですが、いざそれが実現しそうになっても、とどめを刺すことができない――
それは、彼女が、もっと昔の――本当の依人がいて、茉莉がいて、自分がいるという――あの洞窟での風景を願っているからじゃないかなぁ。
ところで、茉莉と蒼乃の戦いに割って入った小さな蒼乃が、こよりに見えて仕方がない(笑)。
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蒼乃の本当の願い、そして、茉莉の本当の願いも気になるところですが、それよりも、今回はやはり剛史と繭子ですね。
剛史の「約束」と繭子の「願い」の齟齬。
それは、
「私も、そっちの世界へ行きたい」
という言葉の受け取り方なんですね。
剛史は「そっちの世界」を「太陽の下に出られる元の世界」だと解釈しました。でも、繭子が願ったのは「元の世界」ではなく、「大好きな剛史がいる世界」。だからこそ、
「約束する。俺が繭子を元に戻してやるから。それまでずっと、俺が繭子のそばにいてやるから」
と言って、剛史が「こっちの世界」に来て一緒にいてくれる今、すでに願いは叶っている、と。でも、それがわかっていない剛史のために、繭子は、
「私の願いはただそばにいてほしいだけ。昔と変わらない、優しい剛史のままで」
と言うんですが……、果たしてその時まで剛史は気づかなかったのか。茉莉を起こしたあの水滴は……、いやいや、それはあえて問うまい。
……えっ、距離的にありえないって?
奇跡っていうのはありえないことが起こるから奇跡なんだよ(笑)。
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「大丈夫。私、犠牲になんかなってない。私の、私の、本当の願いは――」
と言った時の、空を見上げる繭子の表情も清々しくて良かったし、繭子と対峙した剛史の口調が少年剛史っぽくなっていて、また良かった。あとはただ、挿入歌「敏感な風景」と共にやってくる過去回想の雰囲気に、酔いしれるが良いさ。今回は本当に繭子と剛史のエピソードだったなぁ。
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センスのないぬいぐるみを送ったり、「約束」というキーワードだったりの類似から、やっぱり、剛史は依人のIfなんだと思います。依人もまた、今後茉莉や蒼乃の「願い」とはかけ離れた行動を始めるんじゃないかなぁ。ラストの月を眺める依人も、なんとなく危うい感じがしますね。
sola Vol.II
sola オリジナルサウンドトラック
↑やっぱり、音楽がイイ!購入済みで、ヘヴィリピート中だよ。「テヲトリアッテ」っていう曲が穏やかで、好きです。