「言ったろ、契約者は嘘つきだって」

 なるほど、そうくるか……という感じの第二話でしたが、やっぱり面白い。かなり真面目に感想を書いていきたいなぁという気分になっています。DVDも二話構成で五千円とまあまあのお値段。時期が時期だけに(攻殻機動隊のBOXがほしいのです)、買うかどうかは不明ですが、前向きに検討中。
 今回は、アニメ雑誌などで入手した、現段階で公開しても良さそうな情報を交えながら、感想、行っきまーす!


 篠田千晶がドールだったとは……、見事に騙されました(とりあえず「千晶ドール」と命名)。最初に李と会った時は本物で、ジャンに拉致されたあとがドールってことですよね? 前回、ジャンが「人格さえもプログラム次第に書き込まれるドールと違って」とか言っていたのは、伏線だったわけですね(ドールに対して言っていることには笑えますが)。クラブで刑事さんが「女は化粧で化けるというからな」とかいうのは、関係ないと思いますが。

 ここらで、雑誌なんかで得たドールの情報をまとめておきます。
 ドール(受動霊媒とも呼ばれる?)というのは、契約者の一種で、感情を一切なくしてしまった人(銀<イン>もその一人)のことを言う。ドールだけが操れるのが「観測霊」で、銀<イン>は水を媒介に観測霊を飛ばすことができる(飛ばした場所の状況なんかを知ることができる)。ちなみに前回電線を伝っていたのは、「天文台」あるいは「天文部」と呼ばれる警察側の組織に属するドールが放つ観測霊です。こちらは電線を媒介にして、観測霊を飛ばします。
 この「観測霊」というのは、契約者にしか見えないということで、今後ターゲットが契約者か否かわからないという場面で、探りを入れるのに使われたりするんだろうなぁ、と思うと今から楽しみ。

 ここからは、確かな情報じゃなくて、想像で(というほど、大層な想像じゃないけれど、まとめる意味も込めて)。
 契約者の中でも、ドールは特別ということなんですが、それはつまりドールが本人じゃないということなんじゃないかなぁ、と思います(とりあえず契約者は本人だと今は考えています)。ただ、ジャンの物質交換型テレポーテーションで、心臓と壁を入れ替えられて死んだ千晶ドールのことを考えると、人格を除けばあとはすべてオリジナルと同じで、血も通ってるし、体温も人並みにあると考えてもいいんじゃないかと(もし体温がなければ、黒<ヘイ>はドールだと気づいていたと考えられる)。
 銀<イン>にもオリジナルがいて、その子はめちゃくちゃ快活だったりして。



 第一話、第二話を通じて、黒<ヘイ>の、契約者に対する姿勢とドールに対する姿勢の違いを垣間見せ、彼の事情をそこはかとなく明かしたことを考えると、良い始まりだったなぁと思います(まとめて見たかったけれど)。

「お前らの顔を見ていると……反吐が出そうだ」

「人形じゃない。……生きていたんだ」

 という対照的な言葉からもわかるように、黒<ヘイ>は「ドール」に対して一方ならぬ思いを持っている様子(おそらくドールだと気づきながらも、千晶ドールをかばってしまったように)。彼が今の立場にいる原因は「ドール」にあったということで、良いのかな。彼はおそらく「人格」を持ったドールと接したことがあると思います。第一話の冒頭の星を眺める女の子がそれじゃないかなぁと想像。

 ドール製造のメカニズムはまだ明かされていませんが、ドールは契約者によってゲートの技術で作られると考えれば、おのずと黒<ヘイ>の動機が見えてきます。あの星を眺める女の子を「ドール」とすり替えられたんじゃないかなぁ。黒<ヘイ>はそれに気づかずに、「ドール」と一定期間過ごした。その間のドールは、間違いなく黒<ヘイ>の思う女の子だったので、人格を植え付けられた「ドール」に対して、黒<ヘイ>は何とも言えない感情を持っている(ごめんなさい、言語化できませんでした)。ちなみにOPのラストで黒<ヘイ>が顔をしかめるのは、緑の髪の子がその子の顔をしているからじゃないかと。
 だから、黒<ヘイ>の目的は、ドールを作る契約者、ひいてはゲートに対する「復讐」なんじゃないかと思います。



 自分の想像が当たっているかどうかはさておき、個人的にはこういう物語がかなり好き。何故彼がそういう行動を起こしているのか、過去に何があったのかを最初に語らず、徐々に出していって……というのがツボです。過去に向かってる物語というのがスキ。例えば、過去にこういう動機で起こったといわれるコレコレという事件があるが、それが起こった本当の理由は何か……みたいなお話はめちゃくちゃ好み。
 この「DARKER THAN BLACK」も、そんな感じだと思います。十年前何が起こったのか……というのがひとつのキーポイントではないかと。




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