(あの日から俺はずっと望んでいたのかもしれない……あらゆる破壊と喪失を。そう、創造の前には破壊が必要だ。そのために心が邪魔になるなら、心を消し去ってしまえばいい。……そうだ、俺はもう進むしかない)
「だから……」


 衝撃の第二十二話から、早一週間。
 今さらながら、感想を書いておけば良かったなぁと思いますが、それは後の祭りということで(ご期待ください?)。


 切ねぇー!
 もはや状況に翻弄されるのみとなったルルーシュが哀しい決断をするというお話。
 ゼロの建国宣言までの流れが圧巻。ユフィとスザクの最期の会話を挟みながら、(日本人虐殺の原因が自分であると言えるはずもなく)ユフィを悪く言うしかないルルーシュが可哀想で仕方ない。そして、ここでゼロの仮面の中を見せないあたりに、演出のあざとさを感じました(褒め言葉ですよ)。

 見せられないほどぐちゃぐちゃな顔をしているということかっ!

 前回の予告で、このシーンのルルーシュはどんな表情をしているんだろうな、と考えていたので、良い意味で肩透かしをくらいました。



 ユフィの死(というかV.V.から聞かされた何か)によって、おそらくゼロとスザクは完全に決裂。V.V.がどう伝えたのか何を伝えたかによって話は変わりますが、問題は、ゼロ=ルルーシュという事実をスザクは知ったのかどうかというところでしょうか。
「ユーフェミア」という名前でかかってくるスザクからの電話で、僕はもう知っているのかなぁという気になりましたが(ルルーシュもそれに気づいていて、そういう意味の会話だと思っていましたが、そういうわけでもない?)。
 いずれにせよ、ルルーシュとスザクの関係の変化も近そうです。ガウェイン、ランスロットという名前になぞらえるような形になってしまうのでしょうか。



 ところで、ルルーシュとスザクは再び手を取り合うことができるのだろうか……というのが、割と気になる話題のように思いますので、ひとつだけアイデアを(いや、ひとつしかないけど)。

 そのキーマンは、

 ユフィ

 です。

 いや、ユフィの死が原因で袂を分かつんだろう? 何を言っているんだ、この阿呆は、と思われる方もいらっしゃると思いますが、そうです、僕は阿呆です(それにひねくれています)。
 死人に何ができるんだ、と思われるかもしれませんが、すでに前例があります。そうです、クロヴィス殿下です。若干三話で亡くなられたクロヴィス殿下ですが、芸術を愛し家族を愛するという、日本人虐殺を命じたのとは違う顔を持っているという、作中テーマの「二面性」「多面性」を死んでから表現された、異様に存在感があるキャラクターです(前回にもバトレー将軍の口から出てたし、死亡後の方が異彩を放っている(笑))。
 そして、さらには、クロヴィスの死後、皇帝が「クロヴィスと、話しておった」とかいうのは、死者を弔った言葉でも何でもなく、マジで死者と会話していたのではないかと。今回C.C.の交信相手がマリアンヌだと判明したこともそれを補完するような。よって、コードギアスの世界には、死者と会話する術がある!
 ということで、スザク、ルルーシュ両名と、ユフィが会話する展開が用意されるのではないかと。ユフィが無惨に死んでしまった今、救いは死後に求めるしかないので、そういう部分でも期待していたり。

※追記

 スザク−ルルーシュの関係の回復はともかく、憎しみに囚われてしまったスザクを解放するのは、ユフィの役割であってほしいなぁと思います(死者と会話できる云々ではなくても)。



 ナナリーからの電話は、メルマガにも書かれているように「遠くに消えゆく平穏な日々を忘れさせまいとするように」というコンセプトのようですが、ただただ気持ち悪かった。ナナリーはあくまで「保護」される側の人間だと思うのですが、時々ルルーシュの行動を促したり、今回のように彼の罪を責めるような立場にあって、もしかしたら作中におけるナナリーの立ち位置を勘違いしているのかなぁとも思ったり。