「なんかしたいね」(霧島海人)

『あの夏で待ってる』第一話「困ります、先輩。」のネタバレ感想です。OP、EDの入り方が最高に好み。あと谷川柑菜さんが良いなぁ。ああいうキャラで「君付け」というのが、何やらグッと来る。幼なじみかと思えば、違うし。


 非日常から日常へと切り替わったところでOP突入。日常から非日常へとシフトしたところでED突入というのが、決まっていてよかったです。その切り替えの中で重要なのか、はたまた作中のもっと根っこの部分で重要なのかはまだわかりませんが、「高感度カメラ」と並んで、海人の「眼鏡」が重要なアイテムとして描かれていると思います。

 非日常シーンに突入する際には、大体海人から眼鏡が落ちていて(冒頭、ラスト)、眼鏡をかけたところで彼が日常を取り戻す、というのが今話で示されたストーリーライン(いうまでもないことですが、彼が眼鏡を通して見ている風景が、彼の持つ「日常」)。そして、高感度カメラが映し出すのは、貴月イチカという非日常の存在。これからは「映画」を撮るとということで、これまた非日常的なものを映し出すものですね。この「二重」のフィルターを通して描かれることで、作中の日常と非日常が入り交じった情景を綺麗に切り取ってるな−、という印象。

 そして、こうした構造を持っているからこそ、OPがとても素晴らしくて。あそこに映っているのは、映画内のシーンではなく、準備中や幕間、または撮影に関係ない本当の日常の一コマ。おそらくは、「忘れたくないから残したい」と語っていた海人が、本当の意味で「残したかった」風景。それ以上に「見ていたかった」風景だったのだだろうと。

 だけど、その風景は、彼の眼鏡が象徴するように、「壊れやすい」し、すぐ見えなくなってしまう、いろんな意味で(笑)。イチカさんはそもそも未来人だか宇宙人だかわかりませんが、いずれ去ることは予測されていますしね。そんな中で、何かをしたくて、何かを残したい海人が何を残すのか、これからの展開が楽しみです。



「なんかしたいね」(霧島海人)
「なんせ、オレら、高校生だし」(石垣哲朗)
「夏だし」(谷川柑菜)
「そうだね、なんかしなくちゃ、かも」(北原美桜)


 いやぁ、この「なんにも理由になっていない」感じが素晴らしい。高校生だから、夏だから、何かしなくちゃいけない。そんなの、なんの理由にもなっていないのだけど、何かにかこつけて、何かしなくちゃという気持ちが、ぼくらにも「あった」ことを思い出させてくれます。

 そして、この圧倒的なまでの衒いのなさ。切迫感のなさ。動機の有無などそもそも気にもしない。この圧倒的なまでに、素直で肯定的な彼らの姿が良いですよねぇ。うーん、本当に久々に、これほど「まっすぐ」な物語を見たのかもしれない。いや、これから目撃するのかも。楽しみー。

sign 〈初回限定盤〉 TVアニメ「あの夏で待ってる」オープニングテーマ
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「ビードロ模様」 TVアニメ「あの夏で待ってる」エンディングテーマ
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