続いてゲーム部門です。五本も選ぶと大抵その年にやったゲームすべてになりますが、今年もまあそんな感じで。ネタバレも若干含みますので、ご注意ください。


■5位:あやかしびと

あやかしびと 廉価版

 見所は、「あやかしびと」というタイトルの意味が明かされる八咫烏の言葉と、鈴ルートにおける刀子さんの跳躍(に至るまでの過程)。Diesや神咒が好きな自分としては、どうしても敵キャラの格が低く見えて、いま一つ戦闘シーンは盛り上がることが出来なかったのですが、この二つに限っては文句なし。こーゆーテイストのシーンが好きなので、それが描かれそうな東出祐一郎さんの新作『東京バベル』に期待してます。

■4位:神咒神威神楽

神咒神威神楽 初回版

『Dies irae』の設定を引き継ぎつつも、ハッピーエンドをちゃんと達成している辺りが、よかった。とくにベイ中尉の望んだ相手と添い遂げられないという呪いが、本当は何に根ざしたものだったのかということを思うと、ラストの彼の結末に納得し、震えた。

■3位:碧の軌跡

英雄伝説 碧の軌跡(完全予約限定版:ねんどろいどぷち「ティオ」「エリィ」、オリジナルドラマCD同梱)

 いつも言っているけれど、JRPGのシナリオは大体が「いま、ここ」を否定し理想郷を目指す敵側と、「いま、ここ」の現実を肯定する主人公たちに分かれる。軌跡シリーズはFCの頃からずっとこの戦いを続けているのだけれど、今回はそれがたった一人の女の子の存在に収斂していくのが美しかった。ラストの「兄貴」との会話も、それを踏まえて読むと、グッと来る。

■2位:Dies irae〜Acta est Fabula〜

Dies irae ~Acta est Fabula~ 通常版

 ナチスの残党たちとの超人バトルというだけで、手に汗握るというのに、その超人たちが揃いも揃って「人間くさい」辺りがもうたまりません。彼らの姿はある意味でダーカーの「契約者」を彷彿しますが、そうした人外になったがゆえに、彼らが普通の人であったときの願いはなかなか叶うことがない。それが紐解かれる玲愛ルートは、やはり良いものです。あれ、最初は蓮一派が好きだったんだけど……。

■1位:WHITE ALBUM2

WHITE ALBUM2(「introductory chapter」+「closing chapter」セット版)

 いやぁ、もうとにかく心が震えた! プレイしている最中は完全にあっちに持って行かれておりました。その節はご迷惑を。

 ICの感想を読んでいただければ、僕がいかにかずさ派かというのがわかるかと思いますが(笑)、それがドラマCDやWeb小説で覆され、特典小説とCC本編で完全に「いや、雪菜さんも十分ありじゃん」と完全に上書きされることに。

 ICの時点では、かずさと春希の間に割って入った、二人の世界を壊したというのが雪菜で。本当に何をやってくれたんだという感じだったんですが、そんな彼女だからこそ、かずさルートラストの姿に救われる。春希とかずさの選択にとって、彼女のあまりに優しい姿は一番痛いところを突かれているのですが、それが一抹の希望へと繋がっていく。

 春希は、両親の離婚の際どちらかに肩入れすることができず、だから、どちらも平等に接する在り方が誠実だと歪んだ。高校生の時、誰に対しても厚かましく説教していたのは、裏を返せば誰も特別に扱っていないということ。そして、かずさや雪菜に対しても頑なに平等(彼にとっての「誠実」)であろうとした彼。それはいってしまえば、人と深く関わることが出来ないということだった。それが顕著に表れるようになったのが、CC以降の彼だったのですが、どのルートを通っても、最後には大切な人と深く関わることを選ぶ(逆にいえば、そうでない人を切り捨てる)。それが究極的な形を描いたのが、かずさルート。だけど、本作が描こうとしていたのは「幸せの向こう側」、つまり、切り捨てられた側の物語だったわけで。相手は春希とは違った意志で「生きている」ということが、明確に描かれるかずさルートはやはり傑作なのだと思います。人と関わるのは、やはり、やめられない。逃げられない。文字通り、それを「覚悟」するほかない。