『WHITE ALBUM2 CC』のネタバレ感想/プレイ日記です。小春ルートなのに、最後にすべて持って行ってしまったよ。今後、どのルートも、雪菜に何かしら重ねて描かれるとしたら、痛すぎるんだが。
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攻略メモ的なものを残しとくと、小春、千晶、麻里さんは、春希が三日間どうするのか?(千晶のレポートをいつやるのか、という選択肢) で分岐してそう(僕の場合は千晶を優先したので、最終的に小春と千晶のみルートが開いていた。春希さんが麻里さんを押し倒す展開だけは防ぐことにした)。その後、かずさの記事を書く方向で進めて、クリスマスに雪菜との修復できない傷を作るのがポイントとなる。
小春ルートにも関わらず、どうしても雪菜の話になってしまうのは、そういう構造で物語が作られてしまっているから。安心してもいい、やっぱりこの物語は、あくまで春希と雪菜、そして、かずさの物語だよ。でも、小春希の可愛さは文句なしなので、春希とのやり取りにニヤニヤし、そして、あまりの重さにへこんだ。春希さん、いい加減にしろ。
ICの頃とは違って、明確にメインヒロインへと格上げされたがゆえに、春希と結ばれることがほぼほぼ困難になっている、というのが上手い「ズラし」だと感じました(これは逆にいえば、昔のような立ち位置なら、小春たちのように紆余曲折はありつつも、なんとか前に進めた、ということ)。
ゆえに、春希と結ばれるのは、中学生の時の彼女みたいな女の子というのが、切ない。
いや、厳密には彼女よりもちょっとだけ図々しくてわがままで優しかったからだとも言えるので、雪菜がもう少し頑張ることが出来ればあるいは? と思わせるのが、またひどい。すでにあれから三年経ってしまって、彼への想いが真剣になってしまったから、お預け、とそんなメインヒロインの女の子。
だけど、ICの感想にも書いたけれど、この作品はすでに雪菜をどう救うのか? というところに主眼に置かれている。結ばれるべき女の子と、真に結ばれるためには、他の女の子の問題をどうにかしなければならない、とそんな複雑な状況になっている。
結構前から、三人ではなく、本当は(バラバラになった)五人であるというところに意味があると思っていたんだけど(それは当然中学生雪菜の「五人」に対応)、このルートではその構図を小春に上書きして、小春を通じて、中学生の雪菜を助ける話と締めたのに唸った。
雪菜が中学生だったときも、三人組と一人と、それを結ぶ一人になってしまったわけだけれど、最後の小春を巡る五人組は、まさにそれですね。矢田さん、小百合、亜子の三人と、孤立した小春、そして、それを結ぼうとする孝宏(小木曽弟)。
これで何を表現しようと思っていたのかというと、きっと三人組の方だってそれほど楽しい、辛くないものじゃないよ、ということ。このときの孤立した一人にならないために、「三人」というしがらみに拘ってしまった雪菜だけれど、それは彼女が体験したように、それほど救われたものではなかった。なぜなら、雪菜が本当になるべきだったのは、弟の姿が雄弁に語っているように、もうひとりの「一人」の方だったから。
#ちなみに、現在の春希たち「五人」の関係は、依緒、武也、雪菜の三人と、孤立した春希、それを繋ぐ「かずさ」という存在になっていると思う。
そんな救いようのない判断ミスをしてしまった彼女は、ありえなかった過去を、ありえたかもしれない現在を、そして、もはやありえない未来を想って、涙する。
小春が窓越しに覗くあの瞬間は、本当にいろんな想いが詰まった屈指のシーンだと思います。

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コメント
たった今、自分も小春ルートクリアしました。
管理人さんもおっしゃられてた
≫小春が窓越しに覗くあの瞬間は、本当にいろんな想いが詰まった屈指のシーンだと思います。
ここのシーンはかなりきましたね。
他のルートでもそうですが主人公が誰かと結ばれようとすると必ず、雪菜が傷つかなければならない。
これが、WHITE ALBUMなんですね。
>くろさん
コメントどうも、初めましてー。
>たった今、自分も小春ルートクリアしました。
おつかれさまです。各ルート各ルート、本当にどれも素晴らしくかつ長いので(笑)大変かとは思いますが、続きも楽しんでくださいね。個人的には、千晶ルートは物語として素晴らしい完成度を誇った内容になっていると思います。
>管理人さんもおっしゃられてた
>≫小春が窓越しに覗くあの瞬間は、本当にいろんな想いが詰まった屈指のシーンだと思います。
>ここのシーンはかなりきましたね。
あのシーンは、まさに「幸せの向こう側」を映像的に表現していた箇所だったと思ってます。最後までプレイしても、ふと思い出すシーンの中に、あそこがある。忘れられません。
>他のルートでもそうですが主人公が誰かと結ばれようとすると必ず、雪菜が傷つかなければならない。
>これが、WHITE ALBUMなんですね。
ICで、(雪菜と付き合い始めてもなお)かずさも雪菜もどちらも平等に接したい、それが誠実、というようなある種歪んだ価値観をもっていた春希さんだけに、逆にちゃんと雪菜を振ることが本当の意味での「誠実さ」(自分にとって本当に大切な人は誰なのか?というのに、ちゃんと答えを出す)になっているというのは皮肉が効いていると思います。
その反面、雪菜は傷つき続けるわけなので、その点については彼女自身の物語で幸せになってもらうしかありません。その傷の分にちゃんと応えてくれるだけの物語が待ってますので。