「僕は颯太のことが苦手だ」(桜満集)

『ギルティクラウン』第七話「輪舞:temptation」第八話「夏日:courtship behavior」のネタバレ感想です。これ、シュウが颯太のことを嫌いな理由って、ほぼほぼ同族嫌悪なんじゃなかろうか(苦笑)。


「ヴォイドってなんだろう? いままでよくわからなかったけど、それじゃあ、ダメな気がするんだ。この右手は、人の心に触れているんだから」(桜満集)

 六話まで吉野弘幸さんがずっと脚本で、七話が大河内一楼さん、八話が鋼屋ジンさんと大きく変えてきたような、そんな印象の二話でした。内容の方もルーカサイト攻略作戦が終わったことで一区切りついて、日常を交えながら、葬儀社のミッションをこなすという、フォーマットみたいなものが出来てきて、面白くなってきましたね。仕事と家ではまったくキャラが違う春夏さんの存在も、好い清涼剤として機能してきそうです。ホント、作中の女の子が皆肉感的で困る。可愛いです。

 で、個人的にこの二話は続けて見ることがオススメです。
 色々と共通点がある構成になっているので。

 八話の方で魂舘颯太から「開く」ヴォイドを取り出し、彼は「心を開く」人という形で描かれていたんですが、それを言うなら、七話で我らがガイさんが供奉院亞里沙さんの殻を破っているし、シュウもいのりの中に眠る女の子を呼び覚まそうとしていたり、そもそもいのり自身に対しても何か波風を立たせてもいる。誰も彼も同じような存在として描かれているわけです(シュウとガイの類似性については、これまでの感想にも書いてますね)。

#女の子は、割と誰もが「別人」「他人」っぽいのに、主要な男性は何故かものすごく似ているように、僕は感じます。

 とくにこの二話だと、颯太とシュウの類似性が露わになっていく。

 MAD映像を作るのが趣味というところもそうだし、空気を読めないところもいっしょ(第一話で、シュウは祭にそう突っ込まれている)。視聴者からすれば、颯太に対するシュウの印象――空気読めないとか図々しいとか――は、おいおいどれもそのままおまえに返るよブーメランだよ、と言わざるを得ない内容ですし、シュウが颯太に踏み込めなかったように、颯太も颯太でシュウに踏み込めなかった(苦手だと思われてもそれをはっきりさせることは出来なかった)。

 そんな、シュウもガイも颯太も似ていて、誰もがそんなに特別な人ではないという描き。そんな中で、ある種の「特権」を得て、この物語に関わるようになったシュウは、他と何が違ったのかと。彼自身は、見ての通り他とはそう大差がない存在。彼をただ単体で見れば、まったく特別な人間でもなんでもないんだけれど、第一話でフラッシュバックした過去回想に見るように、何か特別な「関係」がある、他の人との関わりがある。

 そんな「関係性」へと一気に話を持ってきた辺りが、非常に好みな物語の動かし方ですね。どうしても僕は人の生き様が気になってしまう人なので。それを本作の中では、ヴォイドという異能と合わせて描いていくと思うと、楽しみ楽しみ。

「じゃあ、心を通わせれば、僕の力も変わっていくんだろうか」(桜満集)

 ガイの説明をそのまま受け取るなら、このシュウの台詞はおかしいのだけど、彼がそのまま真実を語っているとは限らないので、その辺りの謎解きも含めて、今後の展開を期待。

 あともう一つ「関係性」の話で言うと、祭の方は七話でシュウの変化に気づくシーンが描かれるのだけど、いのりは八話のラストまで気づかないというのは上手いと思った。油断していたといえ、ちゃんとシュウの関係を積んできた祭に対して、それが出来ていないいのりの方は遅れているということなんだけど、それでもシュウにドキっとしてしまうのは同じだという。この二人の会話が、何気に聞いてみたい気がします。本編にはなさそうなので、BD/DVD辺りの特典になるのかなぁ。

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