「これで、僕も共犯だね」(桜満集)

『ギルティクラウン』第六話「檻:leukocytes」のネタバレ感想です。エンドレイヴに直接乗り込んでいるわけではないため、別の機体と即座に「スワップ」して、乗り換え可能という設定は面白いな。局地戦に限るけれど、一人エースパイロットがいれば、戦局が変わりうるという設定だ。


 今回は不明な部分としては、何故ガイのいた場所にルーカサイトを撃つことができたのか? そして、彼が生きているのは何故なのかという疑問があると思うんだけど、これはキョウが裏切り、また彼がガイを守ったということなんだろうか。

 前回嘘界少佐が葬儀社に放った「楔」の話をしているのだけど、その直後に出てくるのがキョウなんですよね(視聴者サイドはその「楔」がシュウだという前提で見ているけれど、こーゆーシーンは大体件の人物が次の場面に現れるものではないかと)。一発目のルーカサイトが撃たれた原因が、ガイのそばにいたキョウの裏切りによるものだとすれば、助かったガイがキョウを撃ち殺した理由も納得がいくし、死に際のやり取りもまた違ったニュアンスで捉えられるんじゃないかな、と(裏切りたくはなかったけれど、裏切らざるを得なかったというような、キョウの無念さや、それでも尚ガイではなく自分が死んで良かったという本音が滲み出ている)。

 そして、何より、突然シュウに託されたペンについて語り出すガイの不自然さが納得出来るかな、と。同じものによって一度撃たれているのであれば、その仕組みを知っていたとしてもおかしくないわけで(事実前回の内容で、自分もあのペンの意味には気づいていたので)、ある程度しっくりくる説明ではあるんじゃないかと思ってます。まあ、実際ガイに超常的な能力がある可能性もなくはないでしょうが、いまの描き方からすると彼はそう特別な人間ではないのではないかと思います(特別なのは、シュウやいのりの方)。



「あんたの子、乗り心地良いわよ」(篠宮綾瀬)

 ある種の「執着のなさ」が綾瀬の魅力だと思っていたので、自機として使っているシュタイナーをいまだに「あんたの子」(ダリルのもの)だと言っている点に腑に落ちると共に、やっぱりそういうキャラだよなぁ、わかるわかると膝を打っておりました。いやー、やっぱり綾瀬は本当に良いキャラしている。彼女の方こそスワップするにふさわしい女の子(言い方がきわどすぎますが(笑)、おそらく今後機体の乗り換えで苦況を打破する足掛かりにするのではないかと予測しております)

 逆に「執着心」の塊のような人間として、ダリル・ヤンが描かれているので、まさしく対比された関係だと思いますよ>綾瀬とダリル。事実作戦上、コアに何かをしているシュウこそが要注意人物にも関わらず、自分を虚仮にしたガイに拘って下手を打っているダリルと、大雲の援護に間髪入れずに感謝の言葉を述べる綾瀬の対比が際立ってますよね。

 前回「自分のことは自分でやる」ということを言っていたので、早速人の手を借りているじゃないか、と突っ込まれそうな気もしますが、前回のシュウと今回の大雲とは明らかに違っていて。大雲は自分のやるべきことをやった結果、綾瀬を助けたに過ぎない。それはきっと、綾瀬が志向している自立した人間でもあるんだと思います。逆に、今回以降のシュウになら、綾瀬も手を借りるのでは、という想像もできたりなど(まあ、あの時はシュウが手を伸ばしても良いと思ったりもしましたが。仲間だと認められる以前に、自分が綾瀬を仲間だと思う、だから手を貸すというシーンがあっても良かった)。



 そして、そんな流れを全体で持っていながらも、ガイとシュウの関係をクローズアップしていったのが今回のエピソードだったのかな、と。「今度こそ守り抜け!」という言葉は、第一話でガイの方からシュウに伝えたものでしたが、まさかこうやって返ってくるとは! お姫様はいのりじゃなくて、ガイなのかよ。

 すべてが終わったあと、目が覚めたいのりを尻目に、二人が分かり合っている姿は、何か込みあげてくるものがあるな……。いのりがいなければ、ガイさんとシュウは割とあっさり仲を取り持てたのかもしれない。

 いのりを信じて葬儀社に入ったはずなのに、巡り巡って、そのいのりとの関係は破綻し、ガイとの絆を深めている辺り、何が何だかわからないものの、良いな。男の友情、良いじゃないですか。

 七話予告のガイに対する突っ込みがどことなく親しげなものに変わっている辺りも嬉しい変化だ。この流れで、いのりとの関係ももうちょい柔らかいものに変わっていただけたらな、と。心を開いていない、または怒っている表現として、敬語を使って距離感を出すというのはポピュラーな演出だと思うんだけど、そんなシュウが本当に等身大過ぎて、先行きが不安になる。

 ただ逆に、いのりとの関係が不安定になっているいまこそ、幼なじみの女の子の出番というものだろうし、次回以降の活躍に期待。学園内の描写というか、キャラの掛け合いがお気に入りでもあるので、日常回が始まるのは嬉しい。

Departures~あなたにおくるアイの歌~(初回生産限定盤)(DVD付)
Departures~あなたにおくるアイの歌~(初回生産限定盤)(DVD付)
ギルティクラウン 01【完全生産限定版】 [Blu-ray]
ギルティクラウン 01【完全生産限定版】 [Blu-ray]
ギルティクラウン 1000ピース 学園 1000-188
ギルティクラウン 1000ピース 学園 1000-188


前回第05話「訓練:a preparation」の感想へ
次回第07話「輪舞:temptation」第08話「夏日:courtship behavior」の感想へ
『ギルティクラウン』の感想インデックスへ