「待機の一手でござろう」(本多・二代)

 アニメ『境界線上のホライゾン』#4「夜天下の暗躍者」のネタバレ感想です。ロボットアニメといえば、サンライズということで、さすがに武神(ロボね)と鹿角のバトルシーンは、凄まじいものがありましたね。このシーンだけでも何十回と見たい気持ちになる。そして、いよいよ、物語が動き出しますよ。


 原作付きのアニメ化ということで当然ながら、今回アニメ化する第1巻上下の伏線と作品全編に渡る伏線が入り乱れているのが、原作未読の人にはわかりづらいかもなと、今更のように思ったり。僕自身原作読んでいる最中は、あまりの情報の多さに圧倒されましたしね。ただ情報量はあまりに多いですが、意外と本筋ははっきりしていて、シンプルという特徴もあるので、それが明らかになっていく次回以降の展開をご期待ください。本当にもう、物語としてはこれしかないというほど、ありきたりで、だけど、これほど燃えるものはないだろうという筋。ボーイ・ミーツ・ガール。

 まあ一応整理しておくと、松平四天王の井伊・直政と榊原・康政が「公主隠し」に逢った一件は、今回そこまで関わってこないです。それよりも、いま「三河」に起こっている花火、地脈炉の暴走の行く末に注視していくと良い感じ。

「歴史再現」を行っている手前、三河が突然消失してしまうと、みんな困るわけですよ(当然ながら、この時期に三河が突然なくなるという歴史はない)。だから、外部勢力(聖連)がそれを阻止するために動いているし、もし仮に消滅したら消滅したで、その失態を同じ極東たる武蔵辺りに押しつけて、自分たちの利を取ろうとしている。そして、そんな展開を予想して、待機の一手を取ったのが二代たち、三河警護隊で、その状況を予見して焦っているのが、正純。

 これまで、トーリ、正純、浅間、二代という順で、視点が入れ替わり立ち替わり描かれてきたわけですが、この中で正純と二代に関しては、明確に中途半端な立ち位置として描かれている(この物語は、トーリがホライゾンに告ると「決断」したところから、始まる)。

 父である本多・忠勝に「自分で決めろ」と言われているにも関わらず、(それが現状最良とは言えるかもしれないけれど)「保留」の一手を取ってしまった二代。第二話の感想でも書きましたが、境界線上にいる正純。この二人が、トーリたちに踏み込む、合流していくまでが、一つクライマックス。

 敵か味方かで分ける、二元論で良いのかという思いもなくはない昨今ですが、それはそれとして、何かを決める(すなわち、選ばなかった方は捨てる)という「決断」には尊いものを感じます。

 そして、そんな迷う子供たちよりも、一足先に覚悟完了している大人たちが、普通に格好良い。かつての仲間、酒井を切り捨て、主への忠義を果たそうとする本多・忠勝。歴史再現をしようにも、その拠り所となっていた「聖譜」(歴史書みたいなもん)にこれよりも先のことが描かれていない。「末世」、いわゆる「終末」が近づいている中で、二代たち次代へ、時代を紡がんとしているわけで、いやぁ、もう普通に格好良いだろ! こういうオッサンになりたいもんだ。

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境界線上のホライゾン(1 上)
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