「あっ、間違った」(鳴上悠)

 TVアニメ『ペルソナ4 THE ANIMATION』#2「The Contractor's key」のネタバレ感想です。番長は普段物静かなだけに、時々喋る言葉や行動に、クスリと来てしまうな。


「鳴上って、あまり動じない人?」(花村陽介)

 番長、クマの正体に驚かなかったのは、地味にパラメータの「勇気」が上がっていたからか。ステータスの変化が、きちんと主人公の行動に反映されているのが面白いな。んで、今回自分の本音たるシャドウの言葉に本能された陽介と、曲がりなりにも(一部拳で語ってはいたけれど)言葉で通じ合うことができていたので、次回は「伝達力」の向上が期待される。番長の軽快なトークが聞ける日もそう遠くない。

 エピソード的には、マヨナカテレビと一連の事件の被害者が繋がり、テレビ内に被害者を放り込んでいる「犯人」の存在が明らかに。番長も陽介も、頭が切れるタイプなので、テンポ良く物語が進んでいってるなーという印象。ともすれば、ゲーム未プレイの人は置いてけぼりになりそうだけど、テレビやラジオ、同級生の何気ない会話をちゃんと聴いていれば、置いてかれることもなさそうで、絶妙な塩梅。ちゃんとミステリーチックになっているのが、良いですね。犯人は誰だろう?と予測する楽しみも十分にある(実際、すでにある程度情報が揃ってきてます)。

 そんな本格ミステリー的な展開を背景に描かれているのは、良くも悪くも「自分を受け入れる」というのが熱い。それが結局他者を受け入れることに繋がり、現代ではもはや当たり前になってしまった個々の「孤独感」を癒すことにも繋がっているわけですね。原作ゲームで複数のペルソナを使い分けられる主人公ですが、それは「誰にでもなれる」ということと同時に、「どんな自分でも受け入れられる強さ」をも意味していて。だからこそ、中身がないクマだって、即座に受け入れられてしまう。

 クマからしてみれば、これはもう驚くべき状況なわけですよ。

 あの世界にただ一人いて、孤独。もし他の人間がいなければ、それが「当たり前」で寂しくなんてなかったのに、なまじいろんな人が来られる状況だから、自分の特異性が際立ってしまう。だから、さっさと番長達にも帰ってもらって、静かに暮らしていたい。自分しかいないのなら、孤独なんて感じないから。だけど、なんと番長は、ヘンな自分を認めてくれた! そりゃあ、もう思わず「センセイ」と呼びたくもなるだろうと。さらっと描かれてましたが、番長、クマまでも落としてます。



 あの世界では自身の本音に耐えられなければ、シャドウに喰われてしまう。山野アナも小西早紀さんもそれに耐えられず、受け入れることができなかったことが窺えるわけですが、逆にいえば、今回語られた小西さんの本音は彼女自身認めたくなったということ。つまり、陽介に対して、恨む部分にあるにはあったけれど、どことなく惹かれてもいた、ということなんだろうなぁ。

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