テイルズ オブ エクシリア (特典なし)「ミラ!」(ジュード・マティス)

『テイルズオブエクシリア』のネタバレ感想/プレイ日記です。主人公はミラでスタート。現在、ハ・ミルでエリーゼが同行したところまで。ワールドマップでどこでも移動できるのは、嬉しい気遣い。クエストの方もちゃんとやろうという気になる(←いつも移動が面倒でやってない人)。


 プレイ時間は現在三時間半ほど。
 メニュー画面などゲームらしいシーンを一切通さず、インストール完了後は(これすらも惜しい)、即座にufotableの素晴らしいアニメーションから一気に作中世界へと没入させていく。この流れがとても心地良い。まさに、その物語世界へ自分が入っていくかのような没入感。たまんない。

 昔、ゲームは異世界への媒介みたいなものだ(ファンタジー小説の異世界を繋ぐ「扉」みたいな役割を果たす)という文章を書いたことがあるんだけど、今回エクシリアで体感したのはまさにそれ。いまから自分は異世界へと旅立っていく、そんなわくわく感を与えてくれる。もう、最初の触りの部分を遊んだだけで、そんな幸せな気分になっている。



 ゲームとしては、十五周年記念作ということだけあって、ほんとうに丁寧に作られてるなー、という印象です。

 特に、四大精霊の力を失ったミラが、まともに剣を振れないのをちゃんと戦闘シーンで再現してあるのがイイ。それまで精霊王マクスウェルとして、暴虐の限りを尽くしていたのが、一転人間ミラとして戦うことになってしまった。その彼女の歯がゆさが、コントローラ越しに伝わってくる。あまりの剣戟の遅さに、えっちょっ、ミラ様選んだら、この状態で話進めなきゃならないの、マジムリ! と絶望感が半端なかったです。それまで、えっ、君いたの?という感じで見ていた、ジュードの存在をあれほどありがたくと思うことになるとは……。料理の腕といい、もはやジュードの存在はこの旅に欠かせないものになっています。ジュード、お母さんポジションだとは思わなかった!

 冒頭の話が端折られるので、初プレイの時はミラ編をおすすめしませんが、この絶望感だけは味わってほしい。その後アルヴィンにちゃんと剣を習って、振るえるようになったことがどれだけ安心したか……。正直マクスウェルの時よりも、戦いやすかったです

 二十年前に生まれ、人間と同じように時間をかけて成長していて、実は四大精霊の力を借りなければ、そこまで人との違いがないというミラの設定を、ちゃんとゲームに反映しているのがイイ。その部分が丁寧だからこそ、ニ・アケリアの祠で、「マクスウェルの力を失ったのか」とつぶやくミラの悲しみが十二分に伝わってくるし、その彼女に対して、「マクスウェル」ではなく、「ミラ」と呼ぶジュードの格好良さが光るというもの。おそらくミラの方は人間名とでもいうものだと思うので、その辺の名付けのエピソードなんかを期待。



 テイルズオブシリーズは、基本的に「神殺し」の物語(中世から近代へと至る物語)。最後には神(や精霊)の力を借りず、人は自分の足で歩いていけるという「人類賛歌」を謳うものが多いんですが、エクシリアはもしかしたら違うのかも……とちょっと期待していたり。

 そう思う根拠はいくつかありますが、大きいところは次の二点ですかね。

 一点目は「クルスニクの槍」で精霊たちを殺し、大量破壊兵器(近代文明の象徴みたいなもの)を使おうとしているのは、ジュードたちと敵対している者たちだということ(逆にいえば、ジュードたちがそちら側になることはないだろうと)。

 もう一点は、ミラが精霊の王であり、ジュードが医学部生だということです。これ、近代についてある程度詳しい人にとっては、有名な話だと思うんですが、医学ってものすごく科学的な発想をしているんですよね。心臓なら心臓、肝臓なら肝臓と、特定の悪い部分だけを取り出して、治療する。人間の身体全体を捉えるというよりは、部分部分に分けて、考える。そうした要素還元主義とも呼ばれる、分けて考えるという思考法は近代に特有のもので、医学部生であるジュードはそうした「近代的なもの」の先駆けなのだと思います。

#「クルスニクの槍」を赤ちゃんに与えた「刃物」に喩えるやり取りで、ジュードは僕たちなら正しい使い方をできる(管理できる)という旨の発言をしているのは面白いですね。

 対して、ミラはいうまでもなく、中世以前というか、神話の住人というか、そんな人。すでに、ジュードに対して「君は君のままで、やるべきことをやれ」という風なことをいっているので(逆にいえば、ミラはミラでやるべきことをやる)、どこかで二人の道がぶつかることは明白なんですが、そんな相対する二人が共に生きられる世界を期待したい。で、それはいままでのような神を殺して、人間を賛歌するというだけのものにならないと思うので、楽しみです。



 終わってみれば、プレイ日記というかファーストインプレッション的な感想になってしまった。でも、こんな感じで、気になるところをちょこちょこ拾って、プレイ日記を書こうと思います。次回以降はもう少しゲームの内容を入れつつ、書きますので、よろしくですー。

→再販されるっぽい。

PlayStation 3 (160GB) TALES OF XILLIA X Edition (CEJH-10018)
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テイルズ オブ エクシリア (特典なし)
テイルズ オブ エクシリア (特典なし)

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