セイクリッドセブン [Sacred Seven] <豪華版> Vol.01 (初回限定生産) [Blu-ray]「えーっと、江ノ島まで」(藍羽ルリ)

『セイクリッドセブン』#8「マゴコロを込めて」のネタバレ感想です。鏡さんは、国を動かす器!


「ルリがハグして、お願いすれば、大抵の男はイチコロオニ」(鬼瓦)

 フェイにしてもルリにしても、ハグ最強説。

 さすがに今回は、若菜派のぼくも、ルリに転びそうになりました。おめかししてきちゃって、スカートの裾触って照れてるところとか、涙目連発のところとか、ちょー可愛かった。ただ江ノ電?と競走してるアルマ君にときめき、挿入歌が入った辺りで、わけがわからなくて、笑った。しかも挿入歌のタイトルが「恋」って。そこからはじまるのかよ(笑)。相変わらず所々で、高度すぎる台詞、演出で魅せてくれるセイクリです。

 前回OPとEDが「反転」していたのが記憶に新しいところですが、これまで積み重ねてきた描写も、「反転」させているんだろうな、という印象。今回ならば、例えば、アルマの「居場所」である自室が殺風景というのは、アルマが何も持っていない人物として象徴されていた部分だと思うんですが、反転。彼の昔の居場所であった鎌倉では、アルマが守った人たちでいっぱいだと。彼らの居場所を、実はアルマは守ってきていた。

「相変わらず殺風景な部屋オニ」(鬼瓦)

 で、他にもアルマの「とりあえず」発言の反転(嫌々という意味よりも、口癖?)や、ルリのイシが石から意思へと反転していたりするんですが、中でもぼくが注目したのは、アルマの「背の高さ」設定の反転かなぁ。

 これ、これまでは彼の「背伸び」っぷり(身の丈に合わないことをしてる)を表現している描写だったと思うんですが、ここに来てそれが何よりも、大切な人とのキズナ(および居場所)を守るためのもので、彼に出来た唯一のことという意味で反転していったのがカッコイイ。

「アルマ。背筋伸ばして、しゃんと立ってな。おまえ自身がしっかりしていれば、大切なヒトとのキズナは壊れない」(アルマの母)



「わたし、その頃、アルマさんにお会いしたことあります」(藍羽ルリ)

 これもよかったなぁ。アルマが覚えていない、そして、ルリがそれに納得したことで、彼女の特別性を廃したのが、ポイント。これで、ぼくはマゴコロこもった変身が可能になると思います。

 第二話の感想で、若菜とルリの対比について語っているんですが、ようは本質的には宝石も河原の小石も変わらない。そこに何を見出すのかという話だった。

 だけど、一方でルリとアルマの関係は、「宝石」に象徴されるように、特別すぎて特別じゃない関係になっていたんですね。誰だって、自分の身を守ってくれた男の子に運命を感じちゃうし、宝石も万人が価値を感じるものだろうし、そこにルリならでは、アルマならでは、の関係性はなかった。

#逆に、河原の小石に独自の意味を見出していたり、あの状況下でアルマ君を見出せるのは若菜しかいなかった。そういう意味では、彼らの出会いはとても特別なこと。

 そんな「特別性」(ある種の普遍性)が今回廃されたことで、ルリ以外には誰にも見出せない「意味」を、アルマとの関係に見つけるほかなくなった。それこそが宝石(イシ)ではなく、意思(イシ)による変身を可能にするんじゃないかなぁ、と。マゴコロ込めた変身期待しておりますよ!

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TVアニメーション「セイクリッドセブン」オリジナルメイドアルバム  はんどめいど☆そうるめいと』
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