「C」第1巻 <Blu-ray> 【初回限定生産版】「真朱、おまえに会えて良かった」(余賀公麿)

『[C] THE MONEY OF SOUL AND POSSIBILITY CONTROL』第十話「collisiton(衝突)」のネタバレ感想です。そういえば、「お金」(ようは通貨)がテーマであって、経済や金融の描きは二の次なんだろうな。



「おまえが未来なんだよ、未来がおまえなんだよ」(余賀公麿)

 ずっとぼやけて描かれてきた公麿の「決意」が、こう来るのかと。最初視聴したとき、良い感じに意表を突かれました。こう来るとは思わなかったのです。あんまり格好良い主人公とは言えない公麿でしたが、このシーンは素直に格好良いと思いましたよ。

 そして、また続く台詞が良いんですよね。

「ずっとおまえをみてたから、目の前にいるおまえだけは絶対守りたいって思ったよ。でも、俺の知らない、未来のおまえも守れなきゃ、本当じゃないって思ったんだ」(余賀公麿)

 ただ「未来のおまえを守りたい」のであったなら、「今のままで良いじゃん」という真朱の想いを汲んでもいない、独りよがりな(それこそ真朱と同じ)意見でしかなかった。だけど、公麿は「いま」目の前に真朱のことをずっと見て、「守りたい」と思った。本当に守りたいのは、目の前の真朱なんですが、彼女を守るというのなら、未来の彼女も守れないと嘘になるとそう言っているわけですね。いまの真朱も未来の真朱もどちらも大切だと。

 これは、最終話での告白を聞くまでもなく、いま目の前にいる貴子のために「いま」を永遠に続けようとする三國とは、まったく正反対の在り方で、あまりに似通っている二人にとって「唯一の差」と言っても良いと思います。

 妹の未来を勝ち取ることが出来なかった過去の自分が許せなくて、だからこそ、「いま」に囚われるしかない(時間を進めてしまったら、貴子が死ぬかもしれない)三國さんが、捨て置いてきた「青臭さ」。

 ずっと三國と公麿は似ているという風に描かれてきて、三國自身も「公麿がいまの自分のようになると?」と危惧していたけれど、それでも公麿は変わらなかった。お金がっぽり稼いでも、コーヒーごちそうするぐらいしかできない、公麿は伊達じゃなかった。やっぱり、これほどまでに「変わらない」のは、すごいと思います。

 あの時、三國さんは呆気にとられて、笑っていたけれど、やはりどこかでわかっていたんだと思うんですよね。自分のやっていることは間違っていると。

 未来か? いまか?
 二人の正義、どちらが正しいか決められない? 断言しても良いですが、そんなことないですよ。

 そんなの、どちらも大事に決まっているじゃないですか。未来もいまも、どちらも大事に決まっている。その上でどう妥協していくか、考えていくしかない。でも、そんな当たり前のことを信じることができなくなってしまったのが三國さんなんですよね。

「叫んでも力がなくては、何もできん。自分の思いを実行するには、力がいるんだ」(三國壮一郎)



「何故? さあ、私のすることはすべて、上の指示ですから」(真坂木)

 土壇場でのダークネスカードの発行。
 ある種「ご都合主義」にも取られかねないミダス銀行の采配ですが、これはずっと一貫して、ミダス銀行側はお金ではなく、未来の方に重きを置いていた(逆に人は未来ではなく、お金重視)という描き方をされていたので、納得感がありました。

「未来」を食いつぶして、「いま」を支えようとする三國よりも、「未来を取り戻そうとする」公麿の方に肩入れするのは、そういう意味では自然なんですね。それに、公麿が「未来」を取り戻してくれたら、またその「未来」を担保にすることもできる。そういう意味では、ミダス銀行を絶対悪とは思わないですね。理不尽なシステムだとも思わない。利害が一致しうるシステムなので。

→八月発売。予約受付中。

「C」第1巻 <Blu-ray> 【初回限定生産版】
「C」第1巻 <Blu-ray> 【初回限定生産版】
「C」第1巻【初回限定生産版】 [DVD]


前回第09話「collapse(破綻)」の感想へ
→次回第11話「control(未来)」の感想へ
アニメ『C』の感想インデックスへ