「C」第1巻 <Blu-ray> 【初回限定生産版】「イイと思った。君はまだ、金以外のことを考えられる目をしている」(ジェニファー・サトウ)

『[C] THE MONEY OF SOUL AND POSSIBILITY CONTROL』第六話「Conflict(葛藤)」のネタバレ感想です。さすが大西信介さん! 明暗の描き方がサイコー。


「聞きたいかい?」(宣野座功)

 部の後輩とも話していたのだけど、ラストシーン、宣野座がホームベースを踏まずに去っていくのが絶妙だった(音楽がぷつんと切れるのもまたうまい)。再三再四、今回は「現在か? それとも未来か?」という問いかけをしていたのだけど、ディールに敗北したことで、宣野座はこれまで築き上げてきた「未来」を失ってしまった(そして、それを担保として戦っている以上、その未来はもう返ってない)。

 それがホームベースという、辿り着くべき場所を踏むことができないという悲観を生んでいるのだけど、それでも宣野座の足取りは軽い。とても軽快に彼は去っていくのだ。

「可能性の失われた未来しか残らないなら、現在がある意味がない」(宣野座功)

 文字通り、彼はこれから「可能性の失われた未来」を生きていくのだけど、その姿からは決して現在が無意味な形では描かれていない。それまでのワクチンのような「大きな幸せ」を与えることはもうできないけれど、カップヌードルを贈るという「ささやかな幸せ」からのリスタート。

 このさじ加減がホント絶妙。

 思い描いた未来は失われたけれど、それでもその未来に向かって生きる。第二話で大金を得てもなおささやかにコーヒーをごちそうすることができた公麿のように、宣野座も生き方を決して変えない。すげえ人だ。これはやっぱり、ラストはすべてを失った三國壮一郎が、それでもなお立ち上がるシーンを、そして、そのためにまずはコーヒーをごちそうするシーンから(どんだけあのシーンが好きなんだ(笑))、始まるんだろうなぁ。

「でもね、あの金に頼るのよりは、ずっといい」(宣野座功)



「違うよ、真朱。勝ちたくないけど、負けたくもない。未来よりも何よりも、俺はとにかく身近なものを失うのが怖い」(余賀公麿)

 そんな絶妙すぎる宣野座のエピソードと並行して描かれたのが、公麿の覚悟(成長と言えないのは、元々彼がそういう人間だと思うから)。宣野座、壮一郎、サトウさんとおそらく三者三様の価値観の狭間でもがいたが、彼が選ぶのはそのどれでもない道(強いて言えば、サトウさんがいちばん近かった)。

「勝ちたくないんでしょ?」(真朱)

 という真朱。ようは、あなたは宣野座の言うように未来のために戦いたいのでしょ? という問いで。この戦いに勝つということは、三國壮一郎の言うように、未来ではなく現在のために戦うということ。だから、真朱は三國のようにではなく、宣野座のように戦いたいんでしょ? と言っているわけなんですが、その問いに公麿は「No」と答える。家族を幼い内になくした彼にとって、身近なものを失う方がはるかに怖いと。

 まだ明確にどう描くのかはわかりませんが、公麿は宣野座のように未来のためではなく、三國のように現在のためではない、第三の戦いをするんだろうなぁ。金融街という強固な世界観(システム)、そしてそこに王として君臨する三國壮一郎。そこに挑む丸腰の少年。これだけで、もう完全にお腹いっぱいで、わくわくしてきますねっ!!

#いま、ふと思ったんだけど、Qってストレートに壮一郎にとっての「妹」ですよねー。初戦でアセットを守る戦いをしたのは、彼にとって「妹」を守ることがずっと思い描いていた「未来」だったのでしょうね。

→8月より、全4巻で発売決定!

「C」第1巻 <Blu-ray> 【初回限定生産版】
「C」第1巻 <Blu-ray> 【初回限定生産版】
「C」第2巻<Blu-ray>【初回限定生産版】
「C」第2巻<Blu-ray>【初回限定生産版】
クチコミを見る


前回第05話「cultivation(修練)」の感想へ
次回第07話「compositon(組成)」の感想へ
アニメ『C』の感想インデックスへ