「でも、おれ、アンタみたいになりたいわけじゃないんだよなぁ」(余賀公磨)

 ノイタミナ枠アニメ『C THE MONEY OF SOUL POSSIBILITY』第三話「conspiracy(陰謀)」第四話「conversion(転換)」のネタバレ感想です。サトウさんが、まともそうな人で安心しました。本作の良心です。


■第03話「conspiracy(陰謀)」

「君が金を使えば、誰かを潤す。貯め込んでいれば、幸せなのは君だけだ。ささやかな幸せは君を幸せにしても、周りに大きな幸せを振りまくことはできない」(三國壮一郎)

 割とぼくもこーゆー感覚を持っている人なんですが、それでも本作の解は公麿が壮一郎にコーヒーをあげたシーンだと思ってます(し、必ずしも最大化しなくていいんじゃないか、と)。「大きな幸せ」ではないかもしれないけれど、「ささやかな幸せ」だって、他人に届くこともあるはず。

 前回の感想で壮一郎は正しいお金の使い方をして、経済をコントロールしようとしていると書いたけれど、そのきっかけは妹の理不尽な死。父が会社につぎ込むのではなく、妹の治療という「正しいお金」の使い方をしていれば……、と。だから、自分はお金を正しく使って、多くの人を潤すのだと。

 これは大変皮肉ですが、まさに自分の父親がやっていたことなんですよね。

 壮一郎の父が、なぜ妹の治療ではなく、傾きかけた自社を救済する道を選んだのかは、想像するしかありませんが、彼は社長として多くの社員の家族を背負っていたわけで。自分の娘を救うという「ささやかな幸せ」ではなく、多くの人に「大きな幸せ」を与えることを選んだに過ぎない。

 ようは、これ、壮一郎とやっていることは同じなんですよ。

 そこが本当に皮肉めいていて、壮一郎の結末を暗示しているところでもあります。それでも、公麿とコーヒーを飲むという「ささやかな幸せ」を共有できた彼ならば、あるいは……と期待。

■第04話「conversion(転換)」

 シュークリーム屋さんが鯛焼き屋に、とある警察官が消えたりと、三話から密かに描かれていた変化――未来を担保にするという意味――が、明確に描かれた今回。えっ、そういうこと? と気づいた時は、寒気が。ある意味これまで債務超過した人物の末路は、自業自得だとしかいいようがなかったのですが、これは残酷。

 敗北した自分が死ぬのではなく、自分の子どもの存在がなかったことに。

 しかし、それでも気丈に公麿は負けるな、と言える江原さんは、すげえ。この出来事と、壮一郎のディールを見て、戦う覚悟を決める公麿もようやく主人公らしくなって来ましたね。

#関係ないですが、未だに公麿を「青年」と呼ばれるのに違和感が(笑)。やっ、年齢的にはそうなんだけど、デザインが幼すぎるので。

 あと何かと「コントロール」とか「正しさ」とかがキーワードになっている壮一郎さんが、Qというアンコントローラブルな存在を抱えているのが面白い。多分、経済をコントロールするのではなく、そこから自分に対する影響が少なくなるように生きる(いわば自分をコントロールする)方に舵を切られると思うので、そういう意味でQの存在は気になりますね。どこかで、暴走状態の自分を制御できるようになるのだろうか。

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