TIGER&BUNNY(タイガー&バニー) 2 (初回限定版) [Blu-ray]「流せるわけないでしょ、こんな映像」(アニエス・ジュベール)

『タイガー&バニー』第三話「Many a true word is spoken in jest.(嘘から出た真実)」 のネタバレ感想です。爆弾事件後、バーナビーだけでなく、アニエスさんやカリーナ(ブルーローズ)までもが、虎徹を見つめるカットが入る辺り、本当に罪な男。今回も面白かった。


「いい? これはビジネスなの!」(アニエス・ジュベール)
「別に。すべて仕事ですから」(バーナビー・ブルックスJr.)


 ヒーロー(というか、虎徹)には世知辛い世の中。でも、個人的に、アニエスさんは凄く好きですね。おそらく、世間の人気で言えば、ブルーローズの方が上だろうけど(実際、僕も普通に好きですが(笑))、僕はアニエスさんの方が気になる。虎徹と惚れた腫れたの関係になるとは思えないけれど、なってもおかしくないぐらいには、お似合いだと思います。というか、一つぐらい大人(オッサン)の恋愛があっても、良いな、と。脚本の西田征史さんは、今回初めてアニメの脚本を書かれているということなので、そーゆー点もちょっと期待しています。気取った感じにならないだろうし、いがみあっていたのがいつの間にか……というのも王道ですしね。

 閑話休題。

 アニエスさん、おそらくバーナビーと対応しているキャラクターなんですね。目的のためには手段を選ばないタイプで、今回二人とも同じような台詞を言っている(言わせている)。そんな二人が、最後にどちらも虎徹を見ているというのが、面白いですね。アニエスさんの作った台本通りに言った「虎徹とバーナビーは似たもの同士」が、まさに「嘘から出た真実」状態なのも、上手い。

 既にある程度虎徹を認めている感のあるバニーちゃん……じゃなくて、バーナビーとは違って、ビジネスにならないはずの映像を取られている虎徹に、アニエスさんは文句を言うわけでもなく。

 結局、今回何だかんだ言って、彼女は虎徹を認めている節があるという。

 ここでポイントなのは、アニエスさんは、レジェンドの銅像に見向きもしなかった(おそらく今後も見ない)こと。初代ヒーロー、レジェンドが、モロに「スーパーマン」っぽいのは、昔ながらのヒーロー観の象徴だからだと思っているんですが、そうした「市民を守るヒーロー」像に心惹かれたというわけではなく、虎徹自身に興味を持ったのだと思います。

 そういう意味では、前回の感想でも書きましたが、虎徹の持っているヒーロー観は、文字通り「借り物」に過ぎない。レジェンドのヒーロー観を「継承」し、そして、それを今度はトニーに託してもいる。いわば、「俺がガンダムだ!」ではなく、「これがガンダムだ!」状態(ダブルオーのネタです)。

「俺たちヒーローには、常に市民を守る義務がある。あんたたちも俺が守る」(鏑木・T・虎徹)

 だからこそ、と言うべきか、虎徹は本当に「ヒーロー」というのを上手く使うんですよね。ヒーロー自体にあんまり拘っている風でもない(むしろ周りの注目を集めたいバーナビーの方が「ヒーローになる」「ヒーローである」必要がある)。ここでこんな事を言われたら、敵わないと。思わず惚れてしまう(笑)。

 その辺りが、ちょっと王道からズレている気がして、今後が楽しみだったりします。でも、一見すると、ものすごく市民を守る「ヒーロー」に誇りをもって、「ヒーローである」ことに拘っているように見えるんですよねぇ。だから、ヒーローを中途半端にやっているブルーローズことカリーナは、虎徹の姿を見て、目をそらしてしまう。本当は歌手がやりたいんだけど、ヒーローをやることを条件にデビューしているから、中途半端になっている。そんな私ってダメ……みたいな、お話になるんだと思うんですが(公式HPの次回あらすじを読む限り)、虎徹は「いいじゃん、歌手のためのヒーローで」ぐらいは言っちゃいそうですね。

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