LIVE TOUR 2011“You can’t catch me”大阪公演に行って、考えたことをつらつらと。参加者には、タイムスリップしたんじゃないかと思うぐらい、遅い感想ですね。


 震災が起きて、二週間程度で行われたライブ。
 自分でも色々と考えている中での参加だったのですが、感想を上手いこと自分の中で整理するまで、かなり時間がかかりました。それでも誤解されるだろうし、自分の込めた意味をすべて伝えきる自信はありませんが。まあ、これはありとあらゆるコミュニケーションに存在するリスクですので、仕方がないですね。続けましょう。

 当初の予定とは曲目が変更されたということで、その中で僕は「ユニバース」という曲を初めて聞きました。上手く言葉にできませんが、いまこの時にこの歌を聞くことができて、何よりこのライブに行って本当に良かったと素直に思える良い曲でした。この歌には、

 60億の孤独が見上げてる
 果てしない空に目をこらす
 限りある その命燃やして
 まあるい星に青い灯がともる
 ユニバース(坂本真綾『ユニバース』より引用)


 という部分があるのですが、奇しくもそれは『STAR DRIVER 輝きのタクト』最終話「僕たちのアプリポワゼ」で、スガタが「すごいな」と言った地球の空と同じものを差しているような気がします。人が限りある命をちゃんと生きているからこそ、「青い灯がともったまあるい星」があって、その灯をすべて喰わんとしてザメクは宇宙に昇る。そして、それを阻止した上で、これよりも凄い空をきっと見ると言えるタクトの姿が眩しいですね。

#ちなみに、スタドラのモチーフとなっている『星の王子さま』で、最後に地球から見える五億の星々が「僕」にとって一様に輝いて見えるのは、その中で王子さまが笑っているかもしれないという理由以外に、上で挙げたような理由があると思っています。

 ちょっと話題が逸れてしまいましたが、『ユニバース』やアルバム収録曲などを、遠いながらも生で聞くことができ、非常に感動的でした。ですが、それ以上に衝撃を受けたのは、

 おそらく坂本真綾さんの生き方が、震災以前と以後で変わらなかったこと。

 もちろん細かい部分では、ライブ中のトークでも話題に上がっていましたが、節電などの影響などがあると思いますし、歌をうたう動機などにはもしかしたら変化もあるかもしれませんが、大枠のやっていること、行動には変化がない(実際、ライブも行っているわけですしね)。

 僕はにわかファンなのでそれほど詳しくはありませんが、チャリティーなども以前から長い間行っているようです。行き先が普段の赤十字から赤十字内の震災基金に変わるだけで、これからも長期的に支援をしていくという風なことを仰っていました。

 もちろんこーゆー時だけ募金するのは偽善だとか言いたいわけではなく(僕も似たようなものですし)、そういう「準備」が出てきているのが、凄いな、格好良いな、と思うのです。

 これは、またまたSTAR DRIVERの例を出しますが、この作品にはワタナベ・カナコという女子高生が登場します。ただの女子高生ではありません。人妻女子高生です。お色気ムンムンです。彼女は世界的大富豪と既に結婚していて、数人の召使いを連れ、豪華客船に住んでいます。

#ちなみに、なぜここまでこの作品を例に出すのかと言いますと、僕が最近ハマっていた作品でもあり、坂本真綾さんがエンドウ・サリナという役で出演されているからです。

 この豪華客船は、初め完全にギャグ描写として存在しています。なにせ人妻女子高生ですからね。たった数人のために、豪華客船を持ってきて、住んでいてもおかしくない。だけど、回を進むごとに、この荒唐無稽な女子高生は、作品の中でもびっくりするぐらい、まともな「常識人」だということがわかってきます。

 そして、奇しくもマーヤさんのライブと同じ3月27日(日)に放送された第24話で、この豪華客船を島に持ってきた理由が明かされる。それは、何かあったときに、「島民を連れて逃げるため」のものだったのです。これの何に衝撃を受けたかというと、彼女はずっと「準備」をできている人だったということ。カナコさんもカナコさんで、主人公のタクトと出会い、(良い意味での)大きな変化を経験しているにも関わらず、そうしたところはブレない(まあ、結果的に、そうした準備は、予想外の事態で役に立たなかったのですが)。

 あるいは、伊坂幸太郎の『フィッシュストーリー』という作品に、こんな台詞があります。

「大事なのは、職業や肩書きではなく、準備だ」

 正義の味方となるよう育てられた青年瀬川が、父にいわれていた言葉で、その準備とは(成れるはずもない正義の味方となるべく)「強い肉体と動じない心」を身につけるためのものですが、こーゆー意味での「準備」が必要なんじゃないかと最近思えます。

 ブレない、変わらない、他に影響されない。

 そうした準備を、生き方を日々黙々としていくことこそが、無限の可能性を殺し尽くして、何か一つにコミットすることこそが、結局自分のテーマでもある「自由に生きる」ために必要なことなんじゃないかな、と思うのです。もう少し言うと、一見するとバラバラに見える行動が、何かの拍子にガチッと嵌る生き方ができる人が、本当の意味でいろんな影響を抑えて「自由に生きられる人」なんじゃないだろうか。

 そうした人の片鱗を、ライブ会場で坂本真綾さんの中に見た。きっと、本当に凄い人は、こういう人なんだろうな、と。とても可愛らしく、格好良い人でした。そうした生き方に、ちょっとずつでも近づけるよう、僕も青い灯をともす「準備」をしよう。

#誤解を招きそうなので補足しておきますが、この場合の「自由に生きる」ということは、金銭的に余裕があるとか、日々安心して生きられるとか、欲しいものは何でも手に入るとか、そーゆー一般的な意味とは全然違っています。僕自身は、「世の中」の大きな変化を受けて、ここ数週間いろんなことを考えて、いまの生き方が良いのかと、根本から変えなければいけないんじゃないか、という風なことを思ってしまっている。そういう生き方が、不自由。「ユニバース」で言えば、限りある命を燃やして、青い灯をともしていない人。