STAR DRIVER 輝きのタクト 銀河美少年伝説 PSP用ゲームソフト『STAR DRIVER 輝きのタクト 銀河美少年伝説』のネタバレ感想/プレイ日記です。五時間前後で「銀河美少年」編をクリア後の感想です。GoogleやYahoo!で検索かけても、感想がヒットしないので、一つ購入を考える上で、参考にしていただければな、と。


 一言でいうと、原作が好きな人はぜひにこのゲームで青春を謳歌して欲しいです(笑)。おそらくアニメスタッフとゲームスタッフが相当打ち合わせして、念入りにシナリオを作られた作品だと思うので。

 例えば、原作アニメの方でミズノが自分の恋が実らないとわかったのは、タクトの呼び方があくまで「ミズノちゃん」で、呼び捨てにはしてくれなかった(ワコは呼び捨て)。そんな「呼び名」で悟ってしまうという結末で、また実はワコはまだタクトを呼び捨てで呼んだことはないけれど、スガタの方は一度呼び捨てにしているんですよね(第6話だったかな?王の柱を使った際に、そう叫んでいる)。

 これだけを見て、ワコがスガタを選ぶとはもちろん断じることは出来ませんが、そうした「呼び方」を大切に扱っている作品ではあるんですよ。タクトがワコと呼ぶ際にも、一話分をかけてその変化を描いてる。

 そんな割と見逃しがちな、原作ではさらっと描いているところを、ちゃんと拾ってくれているんですよ。漂着した主人公のワコへの呼び方が、なし崩しにワコちゃんとかワコとかになるのではなく、ちゃんと「アゲマキさん」から始まっている! ここを読んだ時は、ああ、もう完全に委ねて良いんだな、ここは原作と同じスタドラの世界だと思いました。嬉しい。



 あともう一つ気に入っているのは、ワコがいまは夢(歌手になること)を諦めていることに対して、主人公の選択肢が良かった。『STAR DRIVER 輝きのタクト』という作品は、結局「秘密は必要だよね」(必ずしも否定されるものではないよね)ということを語っている物語で、それは結局ワコに照らして話をするなら、東京に出て歌手になるという道以外にも、南十字島で歌い続けるという選択もあると語っているわけです。

 でも本音はどうあれいまの彼女は諦めている。

 それに対して、主人公は現状保留する道や肩書きにこだわらないという話ができるんですよ(そーゆー選択肢が用意されている)。後者が上で書いた南十字島で歌っていくという選択ですし、前者はおそらくストレートに現在本編でやっているお話。タクトは結局なぜサイバディをすべて破壊するといっているのかというと、島を出られるという可能性を作りたいからなんですね。そして、おそらくその上で、ワコには選んでもらうという展開になるんじゃないかなぁ、と。

 そんな、このゲームスタッフの、「わかってる」感がたまりません。作っている人、絶対スタードライバーの大ファンだよ。



 あとは何だろう、この最初にプレイすることになる「銀河美少年」編では、タクトと共に綺羅星十字団と戦うことになるのですが……。サイバディの再生が可能になった時点で、タクトの当初の目的「サイバディをすべて破壊する」だけでは、問題は解決しない(倒しても再生される)。では、どうすれば良いのかという話を、アニメの方では、ヒーローになれという話をしていましたが、

STAR DRIVER 輝きのタクト/感想/第13話「恋する紅い剣」/誰かの「ヒーロー」になるということ。

 このゲームでは別の回答が用意されてます。破壊するのがダメなら、「封印」しちゃえば良いじゃない、とばかりに、再封印しまくります。こ、これが本編でも出来るなら、ワコやスガタの葛藤は何だったんだという話になるな(笑)。

 ただなぜ封印するのかというと、こんなもの(超銀河文明の遺産)などなくても生きていける!という主張で、これはおそらく原作以上に、学園生活をがっつり描いた作品だったので、グッと来た。普通に恋バナに混じったり、遅刻して怒られたり、そんな当たり前の、ありふれた「日常」だからこそ、大切。

 いや、まあ自然とこの言葉が出たあとで、何なんだが、この世界の高校生活がありふれた「日常」というには無理があるなっ!(笑) まあ、何にせよ、本編では描かれていない、タクトたちの日常を垣間見ることができるというだけで、プレイする甲斐がありました。

 あとプレイしていて思ったんだけど、僕この作品に出てくる登場人物みんな好きだなぁ(僕にとって、オールタイムベスト級の作品になるいちばんの条件)。そんな些細なことも、再確認してみたり。



 サリナ部長が何者なのかは、多分原作では尺を取って描かれないと思うので、次はサリナ部長メインと思われる、南十字学園篇「夜間飛行ルート」を目指そうと思います。それでは。



 気になる(面白かった)ピコポイント

■本日放送される、演劇部「夜間飛行」の劇『神話前夜』はストレートに、タクト、ワコ、スガタ三人の物語を反映したものらしい。サリナ部長からそんな発言が出ました。

■ジャガー先輩、だいぶオトナの風格がある人です。朝から寝ぼけて、抱きついちゃっても、余裕で「秘密」にしてくれます。こ、この人、この作品のことわかってる(笑)。

■イシノ先生(タクトたちの担任)ですらフルボイス(メインキャラ扱い)されているので、ワコのおばあちゃんやマスターがされなくて、笑った。

■夜浜辺を主人公が歩いていたら、水着姿の委員長(ニチ・ケイト)と遭遇。おそらくタクトがカラオケ中に遭遇したエピソードに該当する話(委員長の秘密を秘密にする)だと思うんですが、暑かったから泳いでた……って、委員長!!

■ヘッドはここでもやっぱりダメな人。俺はほんものだといって、ニセモノだと断ずる主人公に戦いを挑んだのに、敗北。こ、この人、根本的に悪役向いてないんじゃなかろうか(笑)。

→アニメ本編の感想はこちらからどうぞ。

STAR DRIVER 輝きのタクト 銀河美少年伝説
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