キャサリン「あのさ、空気読みなよ」(キャサリン)

 PS3・Xbox360のマルチタイトル「CATHERINE」のネタバレ感想です(僕がプレイしているのはPS3版)。一週目クリア後の感想となります。


 イージーなら大丈夫ですよ、とか言ってましたが、前言撤回。イージーモードでも、後半はランダム要素が絡んでくるので、そこはかなり厳しいです。ただランダム要素のあるステージは限られているので、同じ夜でも結構難易度には開きがある感じ。とくに、ボス戦はそこまで苦戦はしなかった。ただ違う意味でトラウマになりそうですが(特にメカベイビー)。

 イージーはランダム要素を排除するという手もあったと思うんですが、そこはストーリー展開と絡めたシステムになっているので、難しかったのかな。ちゃんと「物語」を生かすシステムになっていたので、個人的には良いポイントとしてあげたい所であるんですが、『ペルソナ3』『ペルソナ4』辺りで入ってきたアトラスライトユーザーには厳しかったかも。

#「人生には答えがない」ように、正答ルートがないダンジョンがある。

 ただ久々に、何度もリトライして、熱中して遊べたゲームだった。難しいし、途中嫌気も差したけれど、なぜだかやってしまう。昔夢中になってゲームをしていた頃を思い出しましたよ。そんなノスタルジックな難易度だった。いまは、簡単に進めても、途中で飽きちゃうもんなー。プレイ時間も一週10時間程度でちょうど良い長さだった。



 パズルは相当に辛いものがあるけれど、それを補って余りあるほど、シナリオは魅力的だった。疑り深い人なら誰もが、Catherineなんて本当はいないんじゃないの?と予想するところだと思うんですが、そこをキャサリン登場シーンで入念に潰しておいて(ヴィンセント以外の人物と会話させて)、後にその会話から真相へと繋げていく辺りは、相当唸らされた。ヴィンセントは店長を追い詰めていることに気づかず、グダグダだったが(笑)。

 今思うと、PVなども上手く使って、ユーザーに先入観を植え付けていましたね。

 二人のキャサリンに挟まれて、ヴィンセントが修羅場るシーンを期待して(笑)、このゲームを購入した人も多いのではないかと思いますが、そこで二人は対面できる存在(Catherineは実在する)だと印象づけておいて、事実は違う。
#キャサリンは「夢魔」。だから、ヴィンセント好みの美女だったわけです。

 包丁で刺すの刺されるの云々というお約束シーンをちゃんと描きながらも、それを悪夢の中の出来事として割り切ったのがすごく良かった。ここでKatherineと和解できたかのように見せといて、その後の展開ですよ。

「あのさ、空気読みなよ」(キャサリン)

 この台詞は、相当キました。包丁で刺されるとかなら、あくまでファンタジーの出来事として楽しめるんですが、この台詞はリアルに凹んだ。正直に話せば許してくれるんじゃね? とヴィンセントと共々思っていたので。32歳の男に、22歳の男がどこまでも感情移入して凹んだ。雨に打たれたい気持ち、おれもわかるよヴィンセント。

 しかし、そこからは想像を絶するまでに、ヴィンセントは馬鹿であった。

 店長から真相を聞き出すやいなや、おれ浮気してねえじゃん、とか言い出す始末。いくら夢魔と言ってもあなたそれは……。真相を話す店長が、本当に辛そうです。まさかそこまで開き直るとは思わなかっただろうし。いつだって、神様の予想を超える、それが人間です。

 オーランドやジョニー、ストレイシープの客人を悪夢から解放すべく、そして、自身の身の潔白を証明すべく、黒幕ドゥムジへ宣戦布告するわけです。勢いで、な、なんかヴィンセントさん、頼もしいと思ってしまいますが、いやいや冷静に考えれば、相当ダサいです。エリカさんがそんなヴィンセントの姿にときめいておりましたが、高校時代失踪したときも、こんな勘違いの恋をしちゃったんだろうな、きっと、と思わせるに十分です。

#おそらく作中唯一の良心であるトビーくん。本当に哀れです。彼良い子だけど、はったりが効かなそうだしな。

 そして、無事ドゥムジを撃破し、皆を生還させたヴィンセント。満を持して、先日フラれた恋人キャサリンを呼び出します。そこで起死回生の一言。

 おれ浮気してなかったっぽい(意訳)

 だ、ダメだこの人。早く何とかしないと。いや、しかし、もう少しなんとかならなかったのか。キャサリンには「終わったこと」の話をしないで、と言われているんだから、せめて結婚を前提としない付き合いは終わったことにして、改めて結婚を前提に付き合いを頼むとか。それぐらいの屁理屈は見せてほしかった。

 こ、これ、エンディング以外は変わらないということなので、この辺りの台詞はきっと変わらないんだよな。縒りを戻すエンディングだったら、一体どうなるのか楽しみだ。

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