人と魔物の大きな戦い「人魔戦争」終結から数年。人々は根源たる力・エアルによって、繁栄を築き上げようとしていた。帝国騎士団ナイレン隊に所属する新人騎士のユーリとフレンは、先輩である双子の姉妹騎士ヒスカ、シャスティルとともに、シゾンタニアの町を守る任務に就いていた。しかし町にほど近い森でエアルが異常噴出し、凶暴な魔物が増殖する事態が発生。これを深刻に受け止めたナイレン隊長は、独自調査を開始する。

 ゲーム本編との齟齬はあるものの、ゲーム内で描写して欲しかったことが次々と描かれて大満足だった。魔物との小隊戦やギルドとの共闘など、中でも積極的に「犠牲」を描いてくれたのが良かったな。

 元々それぞれの「正義」を貫くという王道のテーマを持っていた本作だけど、正義を貫く中で当然「犠牲」は生まれる。ゲームだとその部分がどうも弱いと感じていたので、ユーリがランバートを殺さなければいけなくなったことやナイレンから「助けられるもんだけ助けろ」(=助けられない自分は諦めろ)と諭される辺りは、うんうんと頷きながら視聴した。

 本編との齟齬として、最もあげられるのはフレンが真犯人を法に委ねなかったことかな。本編の「裁きは法に委ねるべきだ」という彼の主張を根底からぶっ飛ばすものだったけれど、無理矢理解釈すれば、そうした邪道を貫いた結果帝国は変えられなかった。騎士団を去ったユーリには転機は訪れなかったけれど、その後も腐敗した騎士団の中にいたフレンは違うだろう。危険な人物を葬っても国は変わらない。ならば、法を変えるしかないという変化を生んだとも考えられなくない。元々違う生き方をしていた彼らが、同じ「原風景」を見て、違う道を選んだという。

 今思うと、ゲーム発売後の映画公開とは難しいものがある。ある程度の人が本編をクリア後に視聴するわけだし、本編で描かれたテーマの延長線上を少なからず見せる必要があるんですよね(今回ならギルドとの共闘の部分とか)。その上で今回なら、過去のエピソードだから、本編の彼らよりも未熟な部分も描かないといけないという。

 この映画の後日談として、本編が見たいな。ゲームとは違った描き方(大幅にエピソードを省略できる)ができるんじゃないかな。

→とりあえず見てみたいという人には、バンダイチャンネルがオススメです
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