イノセント・ヴィーナス 6 [DVD]「わたし、もう逃げない」(登戸沙那)

バンダイチャンネルにて視聴している、『INNOCENT VENUS』最終話「世界」の感想です。良かった。沙那可愛すぎる。娘にくれ。


 見所ベスト3は以下。

■第3位 仁、裏切る

 これは第一話の時点で予想していた展開。カエルに暗示をかけるという、誰も気づかないような伏線でも、私は見つけるよ!(←絶対違う) 第一話の、

「本当に怖いやつはわからないんだよ、表からはね」(鶴沢仁)

 という台詞から何か理由があるのかとも思ったんだが(沙那に対して、自分の本性を仄めかしているような印象もあったから)、そのものずばりであった。特に同情するような理由もなかったのが、変に気取っていなくて良かった。久々に悪党面が似合う悪役。前半のいい人(でも裏がありそうなキャラ)から一転しての、表情や言葉遣いの変化がたまらなかったなぁ。OPの白と黒の仮面から二面性を持つキャラなのかと思ったのだが、どうも悪党面が地だった様子。

■第2位 仁と丈の違い

 仁が最後までこだわった「丈との違い」だけど、これはどこまで読み取れるものなんだろう? 個人的な感触では、丈があくまでセブンチルドレン達の悲しみから逃げなかったのに対して、仁はそれを恐れ支配しようとした(=逃げていた)というのが、あげられるかな。ドレイクや仁との戦いが終わって、丈が旅に出て行くラストはそれを象徴しているように思えた。逃げるのではなく、他の世界を受け入れる(すなわち、見る)ための旅。

 沙那や虎二もそうなんだが、この物語は結局脅威から逃げるのか、それとも立ち向かうのか、その選択を迫られる物語だ。仁の裏切りを知った沙那がそれでも彼に会って、真実を問いただす、すなわち「逃げない!」という選択をするところなど、それまでずっと守ってもらっていた彼女の成長が見られて、良かった。その「決意」が伝染していくかのように、丈や虎二にも移っていくんだよなー。

■第1話 沙那

 沙那可愛いよ沙那
 前半は仁に心惹かれていると思ったら、自分を助けてくれたのが丈だと知ったときの変わり身の早さなど、可愛らしさの中にしたたかさも持った少女だった。声を当てている名塚さんの名演技も相まって、実に可愛らしい。

 仁と丈、そして、沙那の逃避行というシリアスなストーリーラインだったけれど、主に僕が追っていたのは沙那の可愛らしさであった。仁に名前を呼ばれた時の嬉しそうな顔なんてもうたまらなかったなぁ。グラディエイターやパワードスーツなど物理的に硬いものを丹念に描くことで、それとは正反対の沙那の柔らかさが際だたせる狙いだったのかな。ほっぺたぷにぷにしたいぐらい、可愛らしかったよ。



 感想を書くのがずいぶんと遅くなってしまったけれど、一気視聴だった。僕の感想は沙那中心だけど、倭寇(日本の海賊)である虎二たちの物語も並列して進んでいるという二重構造になっている。もう一回見るなら、こっちの物語を中心に追っかけてみたいな。一度ならず二度楽しめるアニメだった。いや、グラディエイターなどロボものとしても良かったんだよな。三周ぐらいは見られる強度を持っていた。またいつか見直そう(←いまはそう思いたくなるアニメをたくさん見ようと思ってます)。