所謂「自分が変われば、世界は変わる」というテーマの亜流を描いた作品。自分の知らなかった世界を知ることで、今まで見えていた風景が違うとかなんとかだろうな。タイトルの「亀は意外と速く泳ぐ」というのも、そんな意味が込められている(亀って動き鈍そうだけど、泳ぐと速い)。
面白かった。基本ユーモアを描いた作品ながらも、スパイはスパイだと気づかれるようではだめ(=平凡な人間じゃなきゃだめ)とかは妙にリアル。いや、でも真面目なのはその辺りで後はひたすら滑りまくってる。町でピアノ弾いているのは誰だろうと覗いてみたら、ノコギリとか、「シールを貼るセンスが、人生のセンスだったりするのだ」など面白いんだか面白くないんだかよくわからない台詞の連発が良かった。
基本ストーリーなんてあってないようなもの。それなのに、ラストのスパイ達との別れはじんわりと来た。いや、なんか公園のベンチの下には地下へと続く階段があって、主人公とスパイ達はそこで別れるっていう話なんだけど、本当に何でこれでじんわり来るのかわからんなっ!!
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