新解釈過ぎるホームズ映画。だけど、根底に流れているのは原作リスペクト。良かった。ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr.)が相当ムサい親父になっているが、原作でも浮浪者に変装してたりするし、イメージは損なわれないな。存外に原作に忠実だと言える。
原作から大きく変わっている点と言えば、ワトソン(ジュード・ロウ)の扱いがあげられる。映画開始直後から、ワトソンがあまりに格好良いので、あれホームズどっち?とか思いながら視聴したんだが、「ワトソン役は読者よりも多少鈍い」というお約束をぶっ飛ばし、むしろ主人公クラスの破格の扱いを受けている。
一番の見所はやはりホームズとワトソンの関係だろう。ワトソンがホームズと対等に渡り合えるようになっているので、その分余計にホームズに引っ張り回されるワトソンが可愛らしく思える。メアリーとの結婚が決まり、部屋から出て行くことになったワトソンとホームズが見つめ合うシーンは、なにやらイケナイ関係を彷彿して笑えた。
推理ものは推理するシーンが単調になりがちだが、結果だけ見せ、後で過程を解説する時系列シャッフルなどを使い、えっあのシーンはそういうことだったの?と反復させまくっていた。その甲斐あってから、あまり退屈せずに見られるんだが、初見では内容を把握しにくいかなぁ。まあ、話題のアクションシーン以上に、奇妙奇天烈なホームズの行動が、最後にすべて真相へとたどり着いていくのを堪能できるし、ホームズ譚としては文句なし。
吸血鬼役が似合いそうなブラックウッド卿もさることながら、中盤ホームズ達に襲いかかってくる大柄な男が存在感を発揮していた。Xbox360タイトルの『ロストオデッセイ』に登場したガンガラみたいなやつなんだが、あの人、何ものなんだろうな?
最後に「あのお方」が登場したりでファンサービスもばっちり。すでに続編も決まっているということなので、今度はスクリーンで見ようと思います。

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