
BS11で再放送されている『喰霊-零-』ディレクターズ版第二話「憎発露(にくしみのはつろ)」のネタバレ感想です。これはホントに面白いわ。演出がお見事。
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「私を“姉”と呼ぶな!」(諫山黄泉)
だったら、「友達」……だったら良かったのか?
お話としては、こちらの黄泉さんがメインになるのかな。特戦四課のナツキさんも大層好みな造形をしておりましたが、黄泉さんもまた麗しい。今はまだ何を考えているのかちゃんと明かされていないので(超自然災害対策室を裏切った経緯とか)、その辺りに焦点を置きながら進んでいくんだろうな。
美少女二人の剣戟シーンがもう素晴らしいんですが、演出としてうまいなぁ、と思ったのは、黄泉と神楽が構えて向かい合っているシーン。あそこ、後ろの柵のようなものが、途中で切れているんですけれど、あれって多分二人の絆がすでに切れてしまっていることを暗示しているんですね。しかも、それを斬ったのは黄泉の方なので、今の状況を如実に表している。
かつては仲が良かった(神楽は「姉」として慕っていたし、おそらくは黄泉は黄泉の方で神楽を大切にしていた)二人の、いまの距離感が切ない。こんなにも近くにいるのに、決して届かない。
それはなぜか?
切ってしまったから。確かに一緒にいると自分が劣等感に苛まれたかもしれないけれど、そこはやはり切ってはならなかった。しかも、ああいうもので、それを表現するっていうことは、多分この「絆」取り戻せないですよね。もう決して繋がらない二人を暗示しているように感じるわけですが。
あと何が切ないって、こういう展開だと大抵黄泉の行動理由が「神楽」にあるんですよね。言葉ではああ言っているけれど、果たしてそれが本意なのかと。そもそも「のりちゃん」こと飯綱紀之を本当に殺したのか?という疑問がありますし。あのシーン、黄泉が神楽を挑発し、「憎しみ」を引き出そうとしているようにも見えるわけで、そういう意味ではタイトルはダブルミーニング。黄泉の「憎しみ」の発露でもあり、神楽の「憎しみ」の発露でもあった。うーん、切ない!
→在りし日の二人の姿が、切ない。

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コメント
喰霊‐零‐!
自分もリアルタイムで見ていたので、あの第1話を見たときの驚愕は今でも印象深いです。
12話構成を最大限に生かした本作品
内容に関してはうっかりネタばれでもしてしまったら申し訳がないので触れませんが
あえて一言で言うのならば、やっぱり「切ない」
でしょうねー…。
あまりアニメ作品を見たりしない身なので
こういった見ごたえのある作品が有るのはありがたいことです。
視聴して驚かされたり感動させられたりした作品でした。
>労馬さん
どうもです。なんか労馬さんとは見ている作品がダダ被りのような気がしてきました(笑)。選ぶ傾向が似ているんでしょうねー。
僕は「面白い!」という評判だけは聞いていて、今回ようやく放送を見ることができたのですが、本当にこれは良い!! 登場人物が何を考えているのか、いろんな情景描写やガジェットを使って魅せてくれそうで、今後の展開も気になります。
>あえて一言で言うのならば、やっぱり「切ない」でしょうねー…。
ああ、やっぱりそうなのですね。個人的に、良い作品ほど最初のエピソードにすべてが込められていると思っているので、そう考えるとこの作品は切なそうだなーと感じておりました。その切なさ、最後まで噛みしめたいと思います。
>あまりアニメ作品を見たりしない身なのでこういった見ごたえのある作品が有るのはありがたいことです。
そういえば、それほど見ているわけではないと言っておられましたね。僕の方は最近アニメや小説に限らず、映画から何までありとあらゆる「物語」を読みたいと思っているので、色々と四方八方手を伸ばして、大変だったりします(笑)。
労馬さん以外にも、何人かおすすめしてくれた人がいるので、これからも楽しみに視聴しようと思います。それではー