デュラララ!! 1 【完全生産限定版】 [DVD]「人間が好きってことかなぁ」(折原臨也)

『デュラララ!!』第二話「一虚一実」のネタバレ感想です。OP、杏里さんからサイモンの流れに違和感があったんですが、そうなるのかー。


 あの日以来世界が変わって見える。人の数だけの思い、人の数だけの秘密、それが当たり前のことだと「実感」できる。

 シンプルにいうと、多分この言葉が本作の全て。第二話は謎の語りを入れつつ、マゼンダこと神近莉緒に焦点を当てた回でした。前回の裏側というか、解説っぽい感じですね。しかし、この語り部誰なんだろうな、ストレートに「池袋」という街そのものなんだろうか。

 前回の感想を参照しつつ読んでくださるとわかりやすいと思うんですが、基本的な構造としては前回書いたことで当たらずとも遠からずってところでしょうか。ただ特定の主人公を作らず、いろんな視点を交える(いろんな人の現実を描く)ことで池袋(=現実)を作っていく感じになりそうだ。

 そういう意味では、前回が竜ヶ峰帝人が池袋に来て、自分の現実を構築し始めたはじまりのお話だとすれば、今回はマゼンダさんが自分なりの現実を受け入れ退場していく、終わりのお話だった。父が浮気していて、母にそれを密告したところで両親(彼女の世界)は変わらなかった。だから、それを自殺して、変えようとするんだけど、それも上手くいかない。でも……、

あなたが考えているほど世界はひどくないから。(セルティ・ストゥルルソン)

 という流れが、莉緒さんの救いになっているのが良かった。自分は世界の中心ではないけれど、それはそれで良いんだと受け入れられた。そんな少女が、ちょっとだけ大人になったところで彼女の物語は終わり。だから、多分もう出てこないですよね彼女は(OPにも登場していない)。大勢の一人に帰っていく。



 そんな莉緒さんとは対照的に、いろんな称号(特別扱い)を受けているのが、首なしライダーことセルティ・ストゥルルソン。この二話だけでも、死神、優秀な運び屋、正義の味方と三つも呼び名があって、見る人によって印象が変わるのが面白い。ある意味彼女自身が現実を映し出す鏡になっているのかもしれないですね。そんな彼女も大勢の中の一人に過ぎないみたいなエピソードが今後描かれるんだろうなぁ。

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