DARKER THAN BLACK-流星の双子- (1)(Blu-ray Disc)「対価は払い終えたんだ」(紫苑・パヴリチェンコ)

『Darker Than Black−流星の双子−』第一話「黒猫は星の夢を見ない…」のネタバレ感想です。凄まじい勢いでメタ構造を感じるなぁ。これ叙述トリック仕掛けてきてないか?


「時は前にしか進まない。後戻りはできないんだ」(パヴリチェンコ博士)

 こぼした水を元に戻せるメイド、アンバーさんを思い出しましたが(笑)。

 待望の続編ということで、どうなることやらと思っておりましたが、これは……上手い構造だと言わざるを得ない。続編というのを最大限に使ってきている。本気だ。これは間違いなく本気で続編は転けるというジンクスを壊そうとしている(笑)。これからもめちゃくちゃ楽しみです。

 蘇芳の趣味が写真ということで、一つカメラが重要なアイテムになっていきそうですね。特に、ニカに告白されて嬉しそうなターニャさんをフィルムに残しているのは大きいような気がします。折に触れて、蘇芳が一瞬にして変わってしまう時があると述懐しているんですが、このカメラに残された瞬間というのは紛れもなく「かけがえのない時間」、本質的には「変わりようがない時間」なわけです。

 その後変わってしまうことはあったとしても、その瞬間には間違いなくあった「大切な時間」。

 だからこそ、変わってしまった今、それを取り戻したい

 それは確かに紫苑が指摘しているように、合理的でも何でもない無意味なことかもしれないけれど、父と別れてしまった母の写真集を持っている蘇芳や契約者と化したターニャを取り戻したいと思うであろうニカ(まだわかりませんが)の心境なわけです。

 そして、もうひとついってしまえば、僕やあなたのような、第一期『Darker Than Black−黒の契約者−』を愛してやまない人の心境なわけですよ(笑)。なんだかんだいって、あんなに優しかった黒<ヘイ>さんがどうなっているんだ、と。いい味を出していたエイプリルを早速殺すな、と。おれの愛したダーカーを返せよ、と(笑)。

 まあ、そんな意見が実際にあるのかどうかわからないんですが、第一話から前作をぶった切ることで、蘇芳やニカの心情に視聴者を一気に近づけようとしているんだろうな、という印象を受けました。実際猛烈に共感している僕がいるわけですし(笑)。

 そこにすごく僕はメタ的な構造を感じたわけですね。こんなにも語り部と視聴者をシンクロさせようとしているのはなぜなのか。冒頭流星が落ちてきて紫苑は契約者になりましたが、蘇芳はどうなったんだ?というような所に、本来「後払い」のはずの対価を払い終わったという紫苑の台詞がかかってくるんだろうな、と。

→早速Blu-ray&DVD予約開始。当然予約した。



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→前作『Darker Than Black−黒の契約者−』Blu-ray Box発売中(僕の感想でさらっと復習しておくと今後も楽しめるかも)

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