「終わりなき理を復活させるのだ!」(鎖部左門)

『絶園のテンペスト』第二話「彼女はとてもきれいだった、と少年は言った」のネタバレ感想です。吉野がとんだ食わせ物でしたね。


 城平京作品らしくないみたいな感想が結構出ているみたいですが、それは多分鳴海清隆やストラウスのような神のごとく超越した存在がいないからではないかと。彼らの企んでいることを見抜くというのがこれまでは本筋でしたが、それが大きく広がったのが本作なんじゃないかなー、って気がしてます。

 今までの作品ならば論理の大元が清隆やストラウスのような人にあったけれど、本作ではそれが世界(物語の世界観)そのものになったというイメージですね。グローバルな感じです。

 すなわち、理(ことわり)そのものにフォーカスが当てようというのが本作なのではないかと。だいぶ妄想しちゃってますが、まったく無根拠というわけではなく、

「復讐したって 犯人を殺したって 不合理は不合理のままです。何も変わりません」(滝川吉野)

 という台詞や、吉野、真広両名共に「人は死んだらそれまで」という至極当たり前の死生観を語らせている辺りが、いかにもという感じです。吉野に至っては、この関節の外れた世界ならば死んだ彼女にもできることがあるのかもしれませんね、とまで語らせている。

 不合理が不合理のままなのは、それがより堅固な理(死者は甦られない)に支配されているからで、その理が揺らぐのならば……と。まあただの戯言なんですけどね。



 とまあ、妄想はこれぐらいにして、ちゃんとした感想をば。
 本筋から置いてけぼりじゃん!と思っていた吉野は、愛花の彼氏で、フロイライン山本を普通に圧倒する「できる子」でした(笑)。でも、これはなんかもう少年に圧倒されてばかりの山本さんを愛おしむ漫画ですね。吉野もいいキャラしているけれど、やっぱり山本さんだな(←格好良いけど、ダメな女が好き)。無職で二十七歳の女、最高ですw

 真広が葉風と取引したように、吉野もまた山本さんと取引。で、早速魔法使いと交戦中の真広の所に赴くわけですが、城平京さんの作風からいえば今までに登場した防御と高速移動の魔法を使って逆転する感じかな。切り札はまあ山本さんでしょうけれど。

 異能バトルものとしても期待しているので、次号は楽しみですね。城平京さん特有の相手の心理を読みながらの知能戦も合わされば、バトルの方でも毎号楽しみになりそうです。『ヴァンパイア十字界』では後半になればなるほど、バトル要素が消えていったので、その辺りどうなるかだよなぁ。

前回第01話「魔法使いは樽の中」の感想へ
次回第03話「できないことは、魔法にもある」の感想へ
『絶園のテンペスト』感想インデックスへ