「進化だBK201」(ハーヴェスト)

『Darker Than Black−漆黒の花−』第七話「塔の上」のネタバレ感想です。人の進化とはどういう方向性のもとで行われるのか。


 進化とはそもそも合理的なものだから、合理的な契約者は人類の進化の形である。ゆえに、その契約者を超えることこそが進化なのだと、ハーヴェストは語る。その手段となっているのが、黒い花による寄生。

 けれど、皮肉にもそれがまた非合理な結果を生んだのが今回のエピソード。上手いなぁ。響子もハーヴェストの洗礼を受けていて、梓が響子を殺そうとしたのと同じように、響子もまた梓を殺そうとしていた(契約者になりたい理由も同じ)。これはびっくりの種明かしで、騙された。

 これはすごい。

 契約者は他者のために何かをすることがない、みたいなことをハーヴェストは以前に言ってましたが、真逆の展開へと繋がっていった。自身のことだけを考えて、お互いを殺そうとした二人だけれど、同じ境遇を味わっていたことはお互いにわかっていて、それがゆえにお互いを殺さない結末へと至った。梓は殺し合いをやめようとして、響子はまた彼女を助けようと自分を犠牲にした。

 自分のことしか考えないのを合理的とは思わないけれど、それがそうだというなら、真逆の展開ですよ。他者を助けるために自己犠牲。自分がどうなっても、自分の大切な人を守りたいなんて、あまりにも非合理。美しい。

 だけど、これはこれで合理的なんだよなぁきっと(梓から見ると)。自分とは縁のゆかりもない人ならまだしも、自分にとって大切な人なら自分の一部だ。だからこそ、それを断ち切ることで(対価を払うことで)進化できると、そういうことなんでしょう。

 これで最初のもくろみとは大きく異なってしまいましたが、間違いなく梓の悪意は黒<ヘイ>(あるいはハーヴェストにも)へ向かっていくと。彼らを恨むことに何の抑制も必要ないですからね。実に合理的に憎むことができる。私の一部を奪ったのだから。疑似契約者へと覚醒してしまう。



 東京エクスプロージョンの際に自分がいつまでも追われることを了承した上で、自分の知らない人までも守ろうとしたのが黒<ヘイ>でした。それが可能だったのはまだ銀<イン>との絆が残っていたからですが(第一期自体が黒<ヘイ>と銀<イン>の絆構築物語でもあった)、果たしてそれが失われても同じことができるのか。

 梓は黒<ヘイ>のifでもあるのかな。黒<ヘイ>自身二期開始時には同じような立ち位置っぽいですが。感情がない、合理的とは言っても、どこか人間味を残していた契約者がほとんどだった第一期に対して、第二期には割と人間味をなくした契約者もでてくるのかな。同じ道を辿りそうになる黒<ヘイ>だけどすんでの所で人の心を残した上で、合理的な契約者らしい契約者(契約者を超えたもの)と対峙するみたいな展開だと結構熱いものがあるな。

→未CD化音源を含む、菅野ようこによる5.1ch版劇伴集収録Blu-ray Box

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- Blu-ray BOX
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